京都-土壁のトヨダヤスシ建築設計事務所-土と国産杉を使う住宅医の仕事

土壁に断熱材を充填する場合、外側が良いのか?内側が良いのか?

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「古民家などを断熱改修する際に、土壁の室内側か屋外側かどちらに断熱材を充填するのが良いのか?」

最近こんな声を聞くようになりました。

わかりやすく整理をしたいと思います。

 

みなみ「将来、古民家に住みたいと思っているんだけど、土壁でできているので断熱材を充填し部屋を暖めたいと思ってる。断熱材は、室内側か屋外側かどちらに断熱材を充填すればよいの?」

博士「それはね、どっちでも良いんだよ」

みなみ「え!?それは意外な答え。博士ならきっと屋外側(外断熱)っていうと思った」

博士「土壁の調湿性や蓄熱性を生かしたいなら、断熱材は外側が基本だね。外側だと土壁の性能を最大限に生かせるしね。でも、土壁のメリットは耐震性や断熱性、防露性、防火性などもあるから、必ずしも調湿性と蓄熱性を生かさないといけないってことはないんだよ」

みなみ「土壁って、いろんな性能があるのね」

博士「あと、古民家や京町家などでは、屋外側から断熱材を施工できないケースもある」

みなみ「屋外側から断熱材を充填できない場合、どうすればよいの?」

博士「土壁の屋内側から断熱材を充填すればいいんだよ」

みなみ「屋内側からで本当に大丈夫なの?この前、大工さんが、土壁に内断熱したら結露するからっていけないっていってたんだけど」

博士「正確には、それは半分正解で半分間違いだよ」

みなみ「どういう意味??」

博士「結論からいうと、土壁の内側に断熱材を充填しても、きちんと内部結露が発生しやすいかどうかの計算をするのが先決だね」

みなみ「計算か~。大工さんには難しそうだね」

博士「そうだね~。計算自体は数分でできるんだけど、意味をきちんと理解していないと間違う恐れがあるからね」

みなみ「耐震診断を、みなみがするようなもの?」

博士「そうそう。みなみちゃんは素人だから、診断のソフトで計算しても、それが本当にあっているのかどうかわからないでしょ?」

みなみ「たしかに」

博士「大工さんも一緒だよ。いくら高級なソフトを持っていても意味がわからないと、間違うリスクが高い。なので、一般的には、土壁には断熱材を入れてはいけないという意見や、外断熱しかだめだという意見がでる」

博士「だから、半分正解で半分間違いなんだ」

みなみ「じゃあ、意味がわかって、きちんと計算できれば、土壁の内側に断熱材を入れても大丈夫なのね?」

博士「そういうことだよ」

みなみ「じゃあ、博士がオススメする土壁の室内側に使う断熱材は何が良いの?」

博士「それはね。住まい手が何にこだわるかで変わるから、オススメってないんだよ。それに、結露の計算によって素材をいろいろ組み合わせないといけないから、特にこれが良いってのはないんだよ」

みなみ「ケチね。教えてくれてもいいじゃん(怒)」

 

博士「じゃあ、基本だけ伝授しよう。基本は、室内側に湿気を通しにくい素材を使い、外にいくほど湿気が通しやすい素材を使えばよいんだ」

みなみ「え?それだけ?」

博士「それだけだよ。それ以上を知りたいなら、まずは計算をすることだね」

 

博士「でもね、みなみちゃん。その建材を教えるってことは逆に危険なことなんだよ」

みなみ「どうして?」

博士「私がある建材を薦めたとして、その建材の上から、何かを張ってしまうことで室内側と屋外側の仕様が変わってしまった場合、結露計算の結果が大きく変わることもある」

みなみ「う~ん。じゃあ、やっぱり専門家にお願いするのがよさそうね」

博士「まずは、家をリフォームしてくれる大工さんや工務店さんが、その計算ができるかどうか確認することだね。もしそれができないら、結露に強い設計者にお願いするのがいいよ」

博士「もし、土壁に断熱材を入れたいと思っているなら、断熱材を入れてはいけないって思っている大工さんや工務店、設計者とにはお願いしないほうが良い。いくら断熱材を入れてほしいとお願いしても入れてくれない可能性が高いからね」

みなみ「たしかに、そんな気がする」

博士「きちんと結露計算できる設計者は少なからずいるので、土壁に断熱材を充填しても大丈夫そうか確認してもらうのがよいよ」

みなみ「博士。ありがとう。勉強になったわ!」

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