土壁でできた石場建ての町家の耐震性能を見える化をしてみました。

今日は、京都大の中川貴文先生にお越しいただきwallstatの実践講習。

参加者は、精鋭揃いの13名。皆さん、住宅医協会の住宅医さんや住宅医スクール修了生、現役生です。

事務所の建物を石場建ての町家と仮定して、シミュレーションをしてみました。

中川先生は、工学的に使える公式をつくり、さらにシミュレーションプログラムまで一人でつくれるのですから、もう天才の域です。

ほんとびっくりします。

 

早速、講義を受けてつくったモデルがこちら。

住宅医協会が入るフクマチヤを、石場建ての建物として入力してみました。入力にはコツがいりますが、斜めに掛ける登梁ができることを初めて知りました。

あと、梁や柱をクロスして入力しないということがポイントです。

 

こちらがシミュレーション動画です。

左が足元固定。右が足元フリー。壁は、全て土壁。水平構面は合板Wです。

こうして、シミュレーションするとわかりますが、足元フリーのほうが、壁の色が変わる部分が少なく、ダメージが少ないようです。

基礎をつくる意味は、劣化や腐朽のこともあるので、一概に足元フリーのほうが100%よいとは言えませんが、これで、家の持つ耐震性能を客観的に評価することができそうです。

設計者や一般の方にとって、とてもわかりやすい耐震性能の見える化ですね。

 

以下は、簡易構造計算結果です。そのままコピペしました。

令46条壁量計算結果

存在壁量(m) / 必要壁量(m)
1層X方向:13.005 / 12.097 = 1.075
1層Y方向:5.460 / 12.097 = 0.451
2層X方向:5.915 / 3.726 = 1.587
2層Y方向:2.730 / 3.726 = 0.733

令46条耐力壁の偏心率
1層X方向:0.027
1層Y方向:0.563
2層X方向:0.039
2層Y方向:0.038

床面積(m2)
1F:41.714
2F:24.843

品確法 壁量計算結果 等級3

存在壁量(m) / 必要壁量(m)
1層X方向:13.005 / 17.059 = 0.762
1層Y方向:5.460 / 17.059 = 0.320
2層X方向:5.915 / 7.747 = 0.763
2層Y方向:2.730 / 7.747 = 0.352

一般診断 壁量検討結果

保有する耐力(kN) / 必要耐力(kN)
1層X方向:65.886 / 34.623 = 1.903
1層X方向:23.482 / 34.623 = 0.678
2層X方向:29.311 / 9.192 = 3.257
2層X方向:14.023 / 9.192 = 1.594

耐震要素の偏心率
1層X方向:0.028
1層Y方向:0.359
2層X方向:0.039
2層Y方向:0.038

構造計算 壁量検討結果

短期許容せん断耐力(kN) / 地震力(kN)
1層X方向:25.490 / 23.878 = 1.068
1層Y方向:10.702 / 23.878 = 0.448
2層X方向:11.593 / 9.806 = 1.182
2層Y方向:5.351 / 9.806 = 0.546

耐震要素の偏心率
1層X方向:0.027
1層Y方向:0.563
2層X方向:0.039
2層Y方向:0.038

重量
W1:82.212
W2:37.178

Ai分布
1階:1.000
2階:1.319