耐震性は等級を競うのではなく、等級を出せる計算・設計をしているかどうかで区分けするべきか

年末に問い合わせを頂き、年始にお話をさせていただきました。

3階建てということでしたので、ウォールスタットでシミュレーションを作成。

1995年の兵庫県南部地震の周期でシミュレーションすると、オレンジがたくさん。兵庫県南部地震の凄さがよくわかります。

 
こちらは、2016年の熊本地震です。オレンジはでません。

 
2007年の能登半島地震です。黄色にならなかった壁もあります。

以上、3例とも、モデルは同一ですが、地震の周期によって壊れ方は、いろいろです。

 
では、先程の、1995年の兵庫県南部地震の周期でシミュレーションしたものに、制振ダンパーをつけてみました。

たくさんあったオレンジが消えます。

このように、シミュレーション結果を見ると、 
耐震等級は、耐力壁や剛性床を設ければ、壁量が増えるので、等級も自ずとあがります。制振ダンパーをつけると、地震力が軽減されるので、壁が壊れにくくなります。

耐震性能のアップは、単純な足し算のようなものなので、あまりここで競っても意味はなく、等級が出せる計算(許容応力度計算等)をしているか、計算をしていないかで区分けするべきです。

等級が出せる計算(許容応力度計算等)をしているところなら、等級1・2・3など容易に提示できます。

なので、「耐震等級3で設計をし、断熱等性能等級4で設計をしてください」と、伝えれば、あとは、間取りとのかねあいだけ。

シンプルですね。