土壁の家を断熱性能向上リフォームします!土壁の熱容量177 kJ/㎡Kを考慮し室温15度~19度に!
昨年、設計が完了した介護・断熱リフォームプロジェクト。もちろん、土壁の家です!!
土壁の家なので、既存土壁の蓄熱性を効果的に利用するために、区画断熱をしつつ外皮性能を向上・定量化します。
改修物件は、断熱しない・できない範囲があるので、その範囲を含めて、建物全体でQ値やUA値の計算を行うと、熱損失が平均化されてしまいます。平均化されると、設計に落としみにくいので、Q*(キュースター)という指標を使用して、区画している部屋だけで熱損失を求めます。今回は、1階と2階の一部を断熱区画するので、その区画した部分だけで土壁の蓄熱を考慮した室温シミュレーションを行ってみました。
土壁の家なので、土壁の持っている蓄熱性を熱容量という数値に置き換えて計算します。
結果は、改修前が緑です。改修後が、橙です。冬期の寒い日・日射がある日で、15度~19度ぐらいの室温となりました。朝方の外気温と室温の差は、約12度です。まあこんなところでしょう!
改修は、気密性能が上がらないと言われているので、当事務所で所持している気密測定器を使って、工事中の漏気箇所をチェックし、C値1.0㎠/㎡を目指したいと思います。
<グラフの補足説明>
橙:改修後 Q*:1.44W/㎡K
赤:改修後 断熱区画範囲のみのQ値:1.87W/㎡K(UA値:0.44W/㎡K)
緑:改修前 建物全体 Q値:9.32W/㎡K
青:外気温 冬期 7地域
熱容量:147.47 kJ/㎡K(家具等含めて177 kJ/㎡K) ※普通の家は、85kJ/㎡Kぐらいです。
(Q*とQ値の違いは、換気による損失があるかどうか、かつ、壁内気流が考慮されているかどうかです。又、Q*の区画は、室内に面するので、温度差係数も考慮されています。)