珪藻土・左官材料の熱伝導率と密度+

最近、話題の珪藻土マット。珪藻土ってそのままでは固体化できないので、固化材を使って固めないといけないのですが、その強度をあげるためにアスベストが使われていたようですね。

いつも壁に塗っている珪藻土は、主材の珪藻土のほか、消石灰、白セメント、つのまた、メチルセルロース、合成繊維のスサ、無機顔料、ゼオライトが、入っています。

中でも、つのまたが、ミソで、練ると昔ながらの磯の香がします。これがいい感じ。自然系の素材は、塗った直後と乾燥した後では色目が変わるのが特徴だと思っています。

メーカーが販売している製品で、成分をマル秘としている左官素材は使いたくないのが正直なところ。なので、オススメは、やはり純粋な「土」ですね。

 

さて、珪藻土の熱伝導率はどのくらいなのか、調べてみました。

2011年ごろに調べた記事ですが、旧ブログにアップしていたものなので、こちらに移管しました。参考にどうぞ。

 左の3本が、珪藻土です。右から2つめは、白土。一番右は、黄土です。白でも、微妙に色合いが変わります。

 

珪藻土・左官材料の熱伝導率と密度

珪藻土の熱伝導率がとても良いので、これを土壁の材料として使えるとすごそう!と、自立循環型住宅研究会でも発表しましたが、確認のため再度書籍を調べてみました。

建物の結露 学芸出版社2004年1版2刷発行
大手ゼネコンのメンバーが執筆した本の中に、各種建築材料の熱特性という資料があるのですが、そこに、珪藻土の熱伝導率と密度の記載がありましたので左官材料で使用する材のみ一部抜粋します。

λw、単位は、熱伝導率W/m・K、密度kg/m3です。
カッコ内は密度を示します。

珪藻土 0.047 (54)
珪藻土 0.052 (170)
珪藻土 0.067 (250)
珪藻土 0.080 (300)
珪藻土 0.093 (455)

やはり、珪藻土の熱伝導率は他の左官素材と比べると良いですね。
ただ、珪藻土は、密度が増すにつれて熱伝導率が悪くなっていきます。

しっくいや土壁、プラスターの密度が1280~1940なので、
その密度にしてみると、

珪藻土予想 0.261 (1280)
珪藻土予想 0.396 (1940)

となりました。
ノリや樹脂で固めると、結局はこういう数値になってしまうのでしょうかね。

製品として販売されている珪藻土を固めて熱伝導率を測るのが一番よさそうです。

建物の結露 学芸出版社2004年1版2刷発行
下記、一部抜粋

珪藻土 0.047 (54)
珪藻土 0.052 (170)
珪藻土 0.067 (250)
珪藻土 0.080 (300)
珪藻土 0.093 (455)

土 0.628 (1890)
砂 0.488 (1700)
砂利 0.837(1850)
粘土 0.651 (1188)

土壁 仕上げ 0.674 (1280)
砂壁 仕上げ 0.547 (1390)
しっくい 0.547 (1390)
プラスター 0.605 (1940)
パーライトプラスター 0.151 (600) プラスター1:パーライト3

モルタル 1.279 (2040) 割合1:3
おがくずモルタル 0.151 (985)
パーライトモルタル 0.372 (1365) セメント1:パーライト1
和壁・漆喰 0.384 (?) 厚47mm
和壁・大津土壁 0.395 (?) 厚62mm
和壁・京土壁 0.453 (?) 厚47mm

比較参考
杉 0.128 (330)
松 0.174 (480)
鋼 372.093 (8900)

 

(更新状況)
210208 旧ブログの記事を移管しました。
※2011.11.25 に旧ブログに書いた記事です。