土壁がある部屋と、土壁がない部屋の温湿度を実測してみた!温湿度、不快指数、絶対湿度、カビ指数の比較。

住まい手にご無理をいい、土壁の家を1年間ほど実測をさせていただきました。

土壁がある部屋と、土壁がない部屋の比較です。部屋は、2階にあり、大きさはほぼ同じ。窓も同じです。なかなかこういった条件の部屋をつくる機会がなかったのですがようやくです!図の左の部屋が土壁あり。右の部屋が土壁なしです。南面は、駐車場なので、障害物はほぼありません。

 
早速ですが、まずはこちら。
2021年夏8/16-8/17の2日間の温度のデータです。外気温は、過去のアメダスデータ(曇り時々雨)を利用しました。

緑が土壁あり、赤が土壁なしです。土壁のない部屋の方が温度が1~2度高く推移しています。土壁の蓄熱効果は、やはり夏の方が効果的のようです。シミュレーション通りだったのでちょっとうれしい。

 

こちらは、温度差です。土壁がある部屋の方が温度差が小さいです。土壁に蓄熱してくれるおかげで温度差が小さくなるというのは、実測もシミュレーションも同じようでした。

 

これは、不快指数のグラフです。

土壁がある部屋の方が「暑くない」という範囲に近づきます。土壁の蓄熱は、冬よりも夏の方が効果的だということがわかりました。時間がとれたら、別日でも同じようなグラフになるのか確かめてみようと思います。

 

これは、容積絶対湿度のグラフです。(容積なので、単位はg/m3です)

緑ラインが土壁の部屋です。夏は水蒸気量が多いので土壁が吸ってくれているように見えます!赤ラインが急に下がっているのは除湿機の効果なのかな??温度のグラフをみると、冷房を掛けたような急な温度低下はないので、エアコンの換気・除湿の機能を使ったような感じです。真相は、住まい手に詳しく聞いてみることにします!

  

カビ指数のグラフもつくってみました。1/21追加。
土壁がある部屋と、土壁がない部屋の実測比較です。土壁がある方が水蒸気を吸ってくれているおかげで、カビの生えやすさが若干緩和。グラフにすると、カビに対する土壁のメリットがわかりやすいですね。断熱性能が良い土壁の家と、断熱性能が悪い土壁の家を比べるとどうなるのかも興味がわいてきました。

まとめ

土壁がある部屋と、土壁がない部屋の夏8/16-8/17の比較をしたところ、

・温度は、土壁がある部屋の方が約1~2度低かった。
・温度差は、土壁がある部屋の方が約0.7度小さかった。
・不快指数は、土壁がある部屋の方が低く、暑くないという範囲に近づいていた。
・容積絶対湿度は、土壁がある部屋の方が最大約1.7g/m3低かった。水蒸気を吸ってくれているような気配です。
・1/21追記:カビは、 土壁がある部屋の方が カビの生えやすさが若干抑えられているようです。

以上。

この2日間のデータだけだと信ぴょう性も薄いので、他の日も分析してみたいと思います。

 

<更新情報>
220121 外気温が違っていたので図と文言を修正しました。
220121 カビ指数のグラフを追加
220120 BLOGUP