太陽光発電の向きと角度を変えると、どのくらい発電量がかわるのかシミュレーションしてみた。

2022年4月1日から、京都で建築物を建てる場合、300m2以上の新築・増築建築物は、再エネ設備の導入が義務化されます。一般的な住宅規模だと規制されることはなさそうですが、設置が求められた場合どういう設置方法(角度や向き)だと発電効率が良いのか気になるところ。

ほぼ、建物の計画をした瞬間に発電効率が決まってしまうので、角度と向きを変えてどの設置が一番効率が良いのかシミュレーションしてみました。

  

 

諸設定

まずは、諸設定です。
「6地域、A3区分、容量4Kw、設置面1面、パワコン効率入力しない」
という条件で、角度と向きを変えてシミュレーションしてみました。

  

  

シミュレーションをする勾配と角度

知りたい情報を一覧表にしてみました。白マス部分を埋めていくだけです。西面は、東面と発電量がほぼ変わらないので省略しました。

参考に、一番右に、6地域の基準エネルギーを記載しておきました。一般的な省エネ住宅は、一次エネルギー消費量が約8万MJ(80GJ)ですので、80GJの発電が期待できると完全にゼロにになります。ゼロエネルギーハウス(ZEH)にするためには、家電と調理を省いた残りの約60GJを実質ゼロにすればクリアできます。例えば、家本体の性能で30GJを減らして、残り30GJの再エネ(太陽光発電)を載せれば、ZEH基準クリアです。

ということで、若干減ってもクリアできるように、今回は4.0KW(約40GJ)載せてシミュレーションしています。

  

  

南面設置の場合の発電効率

まず、南面の載せた場合で、角度を10度程度ずつ変えて発電量を比較しました。
結果は、赤字にした角度20度が一番発電効率がよく、39065MJ。角度が10度変わると、2~3%ぐらい発電効率が落ちます。
水平設置は、10%程度の減少ですが、それなりに発電量があります。ただ、壁設置(90度)はかなり落ちるので、壁設置よりは水平設置がよいですね。

  

  

南東面設置の場合の発電効率

次は、建物を45度振り、南東面に太陽光発電を設置し、角度を10度程度ずつ変えて発電量を比較しました。
結果は、赤字にした角度10度が一番発電効率がよく、37385MJ。勾配20度は、37366MJなので、ほぼ同等。角度が30度になると、2%ぐらい発電効率が変わります。
水平設置は、当然ながら南面と同じです。
設置方位が変わると、角度が緩い方が効率がよくなることがこれでわかります。

  

  
  

東面設置の場合の発電効率

次は、建物を東面に太陽光発電を設置し、角度を10度程度ずつ変えて発電量を比較しました。
結果は、赤字にした水平面が一番発電効率がよく、36674MJ。屋根勾配が徐々にきつくなると効率が落ちていきます。
勾配10~40度の東面に取り付けた場合は、南面設置と比べると、5~16%程度効率が落ちます。

  

  

  

北東面設置の場合の発電効率

次は、北東面に太陽光発電を設置し、角度を10度程度ずつ変えて発電量を比較しました。
結果は、赤字にした水平面が一番発電効率がよく、36674MJ。屋根勾配が徐々にきつくなると効率が落ちていきます。
勾配10~40度の北東面に取り付けた場合は、南面設置と比べると、10~34%程度効率が落ちます。

  

  

北面設置の場合の発電効率

最後は、北面設置です。角度を10度程度ずつ変えて発電量を比較しました。
結果は、赤字にした水平面が一番発電効率がよく、36674MJ。屋根勾配が徐々にきつくなると効率が落ちていきます。
勾配10~40度の北面に取り付けた場合は、南面設置と比べると、11~37%程度効率が落ちます。

  

   
  

まとめ

  • 発電効率が一番良いのは、南面設置の勾配20度でした。
  • 垂直面でも発電しますが、効率は、その向きの最大の発電量より、42~73%ほど落ちます。
  • 東・西・北面になる場合は、水平面が一番効率がよくなります。

  

新しく家を建てる場合は、屋根をできるだけ南に向けてあげと発電効率がよくなります。ただ、家は発電効率だけで建てるわけではないので、周囲の景色や生活スタイル、求める暮らしを含めて、バランスがよい住まいづくりができるといいですね。 

  


京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例 はこちら。 あんまり情報がのっていないので、もう少しわかりやすくしてほしいなー。。

https://www.pref.kyoto.jp/energy/saienedounyuusokusinnjourei.html