土壁の部屋と和紙貼の部屋の絶対容積湿度を比較!実測結果!(冬期)

2020年12月頃から1年ほど実測させていただいたので、絶対湿度をグラフ化しました。

西の部屋は、室内に土壁あり。東の部屋は、石コウボードに和紙貼です。部屋の大きさはほぼ一緒。西は無垢のフローリング、東は薄畳です。天井の仕上はどちらも合板です。

UA値は、0.49w/m2K(Q値1.76w/m2K)です。外気は、過去のアメダスデータを利用しました。

ほぼ同じ条件で、土壁あり、なしの効果を比較することがこれまでできなかったのですが、ようやく条件がそろいました。

日時は、ランダムに4つの日時を抽出しました。

 

 

目的

土壁は、調湿や吸湿、保湿などの効果があると言われていますが、どのくらいの性能があるのか確かめてみました。

  • 土壁の部屋は、絶対湿度はどれくらい?
  • 石コウボードに和紙を貼った部屋と比べると絶対湿度はどのくらい違うの?

部屋を土壁とした場合の効果を明確に答えたいので、この2室の絶対容積湿度(g/m3)がどんな変化をするか、温度と湿度から分析しています。

  

 

結果 2021年1月10日~1月11日のデータ

赤ラインが土壁なしの部屋、緑ラインが土壁ありの部屋です。

土壁ありの部屋の方が絶対湿度が最大約2g/m3ほど高かったです。

 

 

結果 2021年1月15日~1月16日のデータ

赤ラインが土壁なしの部屋、緑ラインが土壁ありの部屋です。

土壁ありの部屋の方が絶対湿度が最大約4g/m3ほど高い時間帯がありました。和紙貼の部屋は、外気の絶対湿度に追従しているように見えます。

 

 

結果 2021年2月1日~2月2日のデータ

赤ラインが土壁なしの部屋、緑ラインが土壁ありの部屋です。

土壁ありの部屋の方が絶対湿度が最大約4g/m3高かったです。

 

 

結果 2021年2月17日~2月18日のデータ

赤ラインが土壁なしの部屋、緑ラインが土壁ありの部屋です。

土壁ありの部屋の方が絶対湿度が最大約2g/m3高かったです。

まとめ

  • 土壁ありと土壁なしの部屋を比べると、この4つ日時では、ほぼ全て、土壁ありの方が絶対湿度が高かった。
  • グラフを見た感じ、1~2g/m3ほど高く、時間帯によっては、4g/m3も高かった。

 

ということがわかりました。

冬期に、絶対湿度を高く保ちたいのであれば、土壁は、有効な素材のように思います。機械のように数年で壊れることもないので、ほぼメンテナンスフリーの保湿素材です。

昔から使われてきた伝統的な素材も実測してみると、なかなか良いものですね!!