この住まいは、寺院と庫裡(庫裏)を区画し断熱改修するプロジェクトです。

寺院は古きまま使い、庫裡だけを区画し断熱性能を向上させることで、冬は暖かく、夏は涼しい住まいとしました。同時に耐震補強や劣化対策、バリアフリー対策なども施し住まいの性能を向上させています。

寺院と庫裡は隣接していることが多く、全てを壊して新築するのも現実的に難しいため庫裡だけの改修工事としました。そこで計画したのが今回の区画断熱手法です。庫裡だけを区画し断熱材ですっぽり包むことで、冬の寒さ、夏の暑さを軽減しようとする計画です。冬は、朝の外気温が0度だとすると、暖房器具を使わずに室温13度になるように性能を設計しています。

今回、庫裡には、土壁が多く残っていたのですが、室内側からの改修工事となるため、活かせるものは残し補修した上で防火の壁として利用しました。解体した土は、土壁が剥がれている箇所の補修材として再利用しました。土を水につけて数日おき、再度練り置きした上で使うと新たな土を手配する必要もなく資源の有効利用ができます。

庫裡の区画断熱改修は、古きよきものと、新しいものをうまく掛け合わせるこれからの時代に必要な改修手法だと考えています。

 

<建築概要>

所在地:京都市
構造:木造2階建て、改修
区画断熱改修部分:178.44m2(53.98坪)
竣工:2025年10月竣工
設計:トヨダヤスシ建築設計事務所
施工:竹内工務店
 

<主な仕上>

構造材:京都府産杉、京都府産桧
造作材:京都府産杉
天井:和紙張り、国産杉本実板張り、EP塗り
床:国産栗無垢フローリング、杉フローリング
内壁:EP塗り、和紙貼、既存土壁の上国産珪藻土塗り、
外壁:国産杉本実板張り、一部サイディング張り
屋根:現状のまま 
基礎・地盤:新設基礎、新設抱かせ基礎補強
 

<性能>

平成28年基準 外皮平均熱貫流率UA値部分:0.39 W/m2K(断熱区画部)
 冷房期 外皮平均日射熱取得率ηAC値:1.5%
 暖房期 外皮平均日射熱取得率ηAH値:1.4%
耐震診断:改修前0.23 改修後1.1(耐震補強部)
内部結露判定 :クリア
 

<その他>