土壁外断熱で蓄熱効果を発揮させて健康に暮らす方法。

土壁外断熱を実践してきた十数年の経験(シミュレーションと実測、住まい手の感想)を踏まえて、土壁外断熱の蓄熱効果をまとめてみました。

結論として、オススメは、「寝室を土壁外断熱とし健康に暮らす!」です。

木小舞土塗りの外側に、ウッドファイバーと呼ばれる木の繊維を固めた断熱材を充填しています。こうすることで土壁外断熱が完成です。とても簡単。

土壁の外側に断熱付加をすることで、冬は暖かく、土の蓄熱効果で温度差を小さくすることができるので、機械に頼らず就寝時も安定した室温のなか過ごせます。夏は、夜の冷気や少しの冷房を土壁の部屋に取り入れることで、蓄熱効果でひんやりした空間にすることができます。

実践した出した当初は、半信半疑だったのですが、住まい手の声を聞くと、絶対にオススメ!と言い切れるようになりました。

では、以下、説明していきたいと思います。

  

上図に書いたように、それぞれの矢印をバランスよく引っ張らないと綺麗な円にならないように、集熱×蓄熱×断熱性能をバランスよくあげていかないと、その効果は活かせません。

断熱性能だけを上げても蓄熱効果は活かせないので、集熱×蓄熱×断熱の性能バランスを確保する必要があります。あと、図には書いていませんが、漏気が多いと効かないので、気密性能(C値2.0cm2/m2以下)もしっかり上げないといけないので要注意です。

 

左は、空気集熱暖房です。集熱した暖気を床下に配り、部屋全体を暖房する方法です。お陽さまの自然エネルギーを活用できる素晴らしい方法。

右は、土壁外断熱の家の集熱方法です。基本は窓から集熱します。床下には、暖気を配りません。窓から集熱し、室内の土壁に蓄熱させるだけですので、普通に家をつくればよいということになります。

 

土壁の家の集熱を窓から行うと説明しましたが、夜は、窓から熱が逃げだすのを防がないといけません。窓は、木の建具に気密処理をして隙間を少なくし、障子戸や断熱ブラインドなどを開け閉めすることで熱を逃がさないことが大切です。

 

土壁の蓄熱効果がわかりやすいように、蓄熱を考慮した自然室温シミュレーションをしてみました。集熱と断熱性能は共通です。蔵のみ断熱性能を変えています。

土壁の家は、熱容量が大きいので、温度差が小さくなっています。土壁より熱容量が大きいコンクリート外断熱の建物は、さらに温度差が小さくなります。この熱容量の差をイメージすると土壁の蓄熱効果がわかりやすいです。機械に頼らず温度差を小さくできるのが最大のメリットです。

一方で、蔵のグラフをみると、温度域が低く、温度差も思った以上にあり、熱容量が大きく断熱性能が低い建物の例としてはわかりやすいのかと思います。「もしも、蔵が住まいだったら?」と想像するとわかりやすいでしょうかね~。

 

こちらは、夏の蓄熱を考慮した自然室温シミュレーションです。夏は、自然室温だと蔵がサイコーです。断熱性能が低くても熱容量が大きいことで、温度域が低くなります。(※断熱は不要と言っているわけではありません)

他の3種は、似たような室温ですが、わずかに温度差が変わります。差は1~2度といった感じですが、この1~2度がとても効果大です。

夏は、35度を27度ぐらいに下げるだけで快適な室温にできます。温度差は約8度なので、土壁の蓄熱効果で1~2度も温度を下げることが上々ではないでしょうか。

 

夏と冬の効果を、居室と非居室で比較しました。

夏は、蓄熱効果でとても涼しくなるのですが、冬は、日射が入らない脱衣室やお風呂などで、熱容量が大きすぎると低い温度域で安定してしまうので要注意です。冬は、できるだけ部屋を区切らず、日射熱を配れるプランづくりが重要になります。開け放しができる引戸が良く、開扉で区切っていては熱が回りにくいのでダメでしょうね。

 

最後に、断熱材を充填した時の、土壁の断熱と蓄熱の関係性をまとめました。

断熱材があることで、家や土壁を保護でき、室内環境もよくなるので、土壁外断熱は、ほんとオススメしたいと思います。

そして、蓄熱効果は、寝室>LDK>居室>非居室 の順に土壁の施工面積を増やすのが効果的です。寝室は、家で過ごす時間が長い部屋であり、かつ、土壁の面積(熱容量)も確保しやすい部屋なので、就寝時も健康に配慮したい人は「寝室に土壁」をオススメします。

 

 

 

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(200829 記事、タグUP)