1、住宅医のインスペクションは、どんな調査診断を行うのか?

既存建物の調査は、規模や築年数、構法も様々であるため、一般的な調査方法では把握しきれないことが多く、また、診断方法も様々です。そういったこともあり、私たち住宅医が行う調査診断手法は、数値で把握できる機械を使用しつつ、一般の方にもわかりやすい調査診断報告書を提示できるようにこだわって調査診断を行っています。

住宅医のインスペクションは、耐震性能や劣化状況に加え、温熱省エネ性能、防火性、バリアフリー性、維持管理性の6項目を把握しています。一般的には劣化状態だけを診断しているケースが多いですが、これら6項目を調査診断することで、家の状況をバランスよく把握することができます。

又、私の場合は、家業が左官職ということもあり古い住宅に見受けられる「土壁」の調査と診断が可能です。

古い土壁を調査・診断します。

床下調査を行い、劣化の状況、蟻害の有無などを確認します。

屋根の上を撮影し、劣化状況を把握します

基礎コンクリートに鉄筋反応があるかどうかを確認しています。

  

2、住宅医のインスペクションを行うメリット・デメリット

調査内容を総合的に判断できるように、メリットとデメリットをまとめてみましたので参考にご覧下さい。

メリット

・第3者の意見を聞ける。
・耐震要素の把握、断熱材の有無、バリアフリー性、防火性能、維持管理・設備の状態が把握できる。
・タブレットやスマホでも閲覧がしやすい報告書データがもらえる。
・調査診断報告書は、その後の詳細調査や設計、施工にも活かせる資料とできる。
・屋根上など、高いところで見えにくい部分が確認できる。
・小屋裏や床下など、普段目にしない部分の状況が把握できる。
・耐震性能(評点等)や断熱性能(Q値、UA値)、気密測定等は、オプションで評価が可能。

デメリット

・費用と時間がかかる。
・瑕疵(かし)保険つき中古住宅保証ではない。
・非破壊の調査となるので、調査できない箇所もある。

 

3、業務可能範囲

京都、大阪、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の近畿圏内とし、京都事務所、又は、大阪MOKSOHOから90分程度で到着できる範囲としています。その他の地域の場合は、お問合せください。

 

4、調査の流れ

調査検討・依頼前(既存図面の有無等の確認、調査見積提示)

調査依頼(調査日時の調整)

状況調査(調査当日に調査内容説明)

報告書完成(調査日の次の日から1週間程度。※調査内容によって異なります。)

報告(PDFデータをメール送信)

調査報告業務完了

注)規模によって調査時間は変わります。

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柱の傾きを測定することで、耐震性、隙間風、劣化状況などが把握できます。

5、調査費用

住宅医のインスペクション 調査費用の目安

延床面積調査費用の目安
~120m2約167,000円+税
125~150m2約200,000円+税
150~175m2約230,000円+税
175~200m2約260,000円+税
200m2以上要お見積り

(2025年1月1日改定)

・規模や条件によって調査費用が異なるため、その都度見積もりをご依頼ください
・消費税は、調査日時点の消費税率に基づいてご精算となります。
・耐震性能(評点等)や断熱性能(Q値、UA値)、気密測定等は、オプションで評価が可能です。

 

その他、調査診断オプション

基本調査以外のオプションの調査は、漏気量測定、サーモカメラによる見える化、耐震診断、断熱性診断、常時微動測定、地盤調査、防露結露診断等の調査が可能です。費用については、お問合せください。

常時微動測定で建物の揺れやすさ(固有周期)を測定します。

測定器で建物の漏気量を計測します。
サーモカメラで断熱性能や隙間を見える化します。

 

6、調査報告

報告書は、PDFで作成し、メールでデータ納品いたします。以下のように、写真をベースにした報告書となるので、スマホやタブレットで閲覧が可能です。データは、PDFなので拡大縮小も容易で、通勤時や休み時間に気軽に確認することができます。

平面図に矢印を書き位置を把握。方角がわかるように、緑実践と青点線で表現しています。

 

報告書の内容

・調査写真にコメントを記入し報告書を作成致します。
・耐震、劣化、維持管理、防火、バリアフリー、温熱省エネの対策に関して所見をまとめます。

提出物

・調査報告書PDFデータ 1部 (メールにて納品)

データを受領頂いた時点で、調査報告業務完了となります。
書面での報告書が必要な場合は、別途費用をいただければ印刷し郵送させていただきます。(カラー印刷の場合、30円/枚が必要です)

報告書サンプル

以下が、調査報告書のサンプルです。各スライドがPDFデータになっており、スマホやタブレットで閲覧がしやすくしています。規模や状況によって枚数は様々ですが、1軒の家で、おおよそ200枚程度のスライドになります。

広角カメラで屋根の上を撮影します。雨天時は撮影ができません。
柱の傾き、床の傾きを図示。図面は、作図しませんので、提供頂いたものに図示します。
室内の劣化状況も図示します。
小屋裏に潜り、断熱材や雨漏り、腐朽状況を確認します。

 

以上が、住宅医のインスペクションの概要となります。

人は、人間ドックで体の状態を把握しています。これは、家も同じです。リフォームをしようと思うなら、良くても悪くても、まずは、家を調査診断してから、治療(リフォーム、リノベ)へ進みましょう!

 

  


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(更新状況)
250218 文言変更
210129 WPバージョンUP、テーマ更新により、バナー修正
2019年1月12日 WP5.0対応レイアウト変更、画像追加等
2018年12月20日 文言追加変更、画像追加、調査診断価格更新
2018年5月9日 画像追加、一部文言追加
2016年6月3日 画像調整
2016年5月14日 一部修正
2015年11月16日 価格改定