準防火地域などの都市部でも外壁に杉や松などの木を張る方法

土壁を使えば準防火地域でも外壁に無垢の杉や松が張れます。一般の方にもわかりやすいように、お馴染みの博士とみなみで解説します。

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みなみ「友人が家を建てることになったんだけど、外の壁に木を張りたいそうなの。でも、張ったらいけない地域らしくて。博士、何か良い方法ない?」

博士「木を張る方法あるよ」
博士「正しくは、張ってはいけない地域ではなく、木を張るためには火に強い壁にしないとい地域だよ。多くは、準防火地域て呼ばれている」

みなみ「そんな地域があるんだね」

博士「そうなんだよ。建物が密集している都市部では、防火の規制があるんだ」


みなみ
「どうすれば木を張れるの?」

博士「方法は2つあるよ。1つ目は、建材メーカーが木を張って認定をとっている壁は使うことができる。2つ目は、建築基準法の告示で決められている仕様であれば木を張ることができる」

みなみ「なんか難しそうね」

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博士「具体的に紹介しよう。1つ目の方法は、構造用面材を開発しているメーカーが防火の実験で大臣認定をとっているんだ。この構造用面材を使って、決められた仕様で壁を造ることで木を張ることができる」

みなみ「そうなんだ!そのなんとか面材を使えば良いのね!でも、友人に聞くとハウスメーカーでは木を張れないっていってたみたいだけど」

博士「無垢の木を張ると反りやネジリ、劣化があるので、その保証ができないって意味ではないかな?ハウスメーカーは、クレームになるのを嫌がるからね。木を張ったことで何か問題起こっても自己責任で・・。という誓約書を書けばよいという話を聞いたことあるよ」

みなみ「そうなんだ。でも、そんな誓約書書くの抵抗あるわ~」

博士「たしかにそうだよね。」

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博士「2つ目の方法は、土壁を使う方法がある。下図にまとめてみたよ」

みなみ「土壁を使う方法もあるんだ。たしかに、昔の家なんかは木を張っているもんね」

博士「プロでも知らない方が多いんだけど、建築基準法で決められているんだよ。左図は、土を30mm室内側に塗って、外側に12mm以上の木を張ることで火に強い壁にすることができる」

みなみ「へ~。そうなんだ」

博士「右図は、土を両面から計40mm以上塗れば、それだけで火に強い壁にできるので、木を張っても良いんだ」

みなみ「え?火に強い壁にしたら、木張っても良いの?じゃあ、ハウスメーカーの家の壁に木を張っても良いのね!」

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博士「いや、それがダメなんだ。いくら火に強い壁があったとしても、その仕様で認定を取っている壁は、基本的に木を張ってはいけないんだよ」

みなみ「そうなんだ。うまく木を張れるかと思ったんだけど」

博士「認定は、大臣が認定しているものなので、勝手に仕様を変えてはいけないんだ。ここ数年、防火の偽装とか、ニュースでやっていただろう?」

みなみ「じゃあ、土壁はいいの?さっきの右の図なんかは、おんなじだと思うんだけど」

博士「土壁は、建築基準法の告示で決められているものなので、認定品ではないんだよ。なので、土壁の上には木を張っても良いんだ」


みなみ
「へ~。土壁はいいんだ~」

博士「こういった事例がわかりやすいかな。さっきの右の図で例えるね。土壁の外側に断熱材や面材を張ったとしよう。その仕上げとして木を張る。土壁の場合は、これがOKなんだ」

みなみ「土壁って自由度が高い素材なんだね!」

博士「大昔からあるものだから、ある程度自由度が高くないと、昔のような土壁の家が建てられないからね」

みなみ「土壁だと、室内の調湿性も活かせるし、火にも強いし、便利な素材ね!」

博士「費用は、土壁の方が高いけど、メリットもそれなりにあるから、うまく選択できると良いね」

みなみ「うん。友達に伝えるわ!」

博士「あと、将来、リフォームする際のことも教えといてあげると良いよ」

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博士「認定品だと、決められた仕様で認定を取っているので、リフォームをする際に、その仕様に合わせないといけない。サイディングだけしか認定を取っていない場合、モルタルの壁やガルバリウムなどの壁にすることはできないんだ」

みなみ「自由度が狭まるんだ」

博士「土壁の場合は、リフォームする際も比較的自由度がきくから便利なんだ。安価な外壁素材をうまく組み合わせることもできるしね」

みなみ「わかった!」

 
 
 


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