嵯峨ウラヤナギの家-木の家、高気密高断熱住宅(京都市)

  

 この住まいは、京都府産の構造材を使い大工の手で墨付けから加工まで行った、中庭型の省エネ住宅です。

柱と梁は杉を、土台には桧を使い、伐採~製材、加工、納品までの流通を把握し、CO2排出量削減に配慮しました。手刻みとしたことで、地域産材の特徴を考慮した加工を意識でき、現場監督や若手大工の育成に貢献できたと考えています。

 省エネ性は、UA0.27W/m2K、C値0.3cm2/m2であり、高気密高断熱とした上、太陽光発電6KW載せました。夏の深夜は、エアコン1台で全館冷房ができており、光熱費は3000円/月とのこと。住まい手の希望通りの性能値と快適な温湿度を実現できました。天井の付加断熱材は、ウッドファイバーを使用し、近い将来、京都府産の木を断熱材に使うことも想定できる仕様としました。

 中庭型の住まいで庭を楽しみつつ、国産材や瓦、和紙などを使い、木の断熱材で外皮性能を向上させ、太陽光でエネルギーをつくる、新しい京町家を提案できたと考えています。

 

<建築概要>
所在地:京都市
構造:木造2階建て
延床面積:124.34m2( 37.61坪)
竣工:2023年4月竣工
施工:竹内工務店
設計:トヨダヤスシ建築設計事務所
 

<主な仕上>
構造材:京都府産杉無垢、京都府産桧無垢、120角以上
造作材:京都府産杉無垢
天井:EP塗り、国産和紙貼
床:国産栗 無垢フローリング
内壁:EP塗り、国産和紙貼
外壁:モルタルの上、リシン吹付
屋根:いぶし瓦葺き
 

<性能>
低炭素建築物認定取得
 平成28年基準 外皮平均熱貫流率UA値:0.27 W/m2K
 冷房期 外皮平均日射熱取得率ηAC値:1.3% 軒庇未考慮
 暖房期 外皮平均日射熱取得率ηAH値:1.1% 軒庇未考慮
 一次エネルギー消費量:設計値 59221MJ/年 < 省エネ基準値 107406MJ/年
相当隙間面積 C値 :0.3cm2/m2
内部結露判定 :クリア
耐震等級 3 許容応力度計算による。
 

<その他>
太陽光発電 6kw