荒土は、縦(竹)から塗るのか、横(竹)から塗るのか?どちらが正しいのか?
ここ数年、竹小舞土壁の荒土が縦竹か横竹か、どちらから塗られているのか調査をしてきました。
ある左官屋さんは、「地震ではがれにくいように竹の縦面から塗る」といい、
書籍には、「縦から塗るという方もいるけど、横から塗るのが一般的だと」と書かれていたり、
ネットには、「縦から塗るのがよい」と書かれていたり、いろいろです。
おそらく、地域や職人、材料にも影響するので、正解はないのでしょう。
とは言っても、伝統的に行われてきたやり方は、どっちなのか知りたいのが心情ですし、調査時や解体時、改修時に注意して見てみました!
これは、築100年の古民家(岐阜)です。竹が太い。横竹から塗っています。
京都の左官屋さんが、「古民家は竹が太いで!」と言っておられたのを思い出しました。
こちらも先ほどと同じ岐阜の物件。室内も横竹から塗っています。
こちらも岐阜。先ほどの物件ですが、一部、土壁で増築した部分がありました。
横竹から塗っています。お風呂だからか、片面塗です。
これは、築88年の古民家(滋賀)です。
横竹から塗っています。
こちらは、築60年の民家。愛媛です。
縦竹から塗っています。室内も同様です。
丸竹が使われています。
こちらは、築53年の住宅。大阪です。
室内面ですが、縦竹から塗られています。丸竹です。
こちらは、富田林寺内町の壁。
劣化で土壁が落ちています。見た感じ横竹に塗られています。
京都与謝野町の防火戸。
縦竹から塗られています。片面です。
こちらも、京都与謝野町の土壁。
板が張ってあるので、確実ではないですが、縦竹から片面塗のように見えます。
こちらも、京都与謝野町の土壁。
地面から近い範囲の土が剥がれています。
土のはみ出し方を見ると、横竹から塗っているように見えます。
こちらは、奈良西大寺の塀の土壁。
縦竹から塗っているように見えますが、なんとも。。
まだ、いくつかあるので、まとまった時点でアップしていきます。
いまのところは、「どっちもそこそこある」って結論です。