土壁の家を設計する場合、Q値をどのくらいに設定するのが良いか?
シミュレーションソフトを作ったので検討してみました。

条件は、
土壁の家(京都)
床面積:100m2 (1階50m2 2階50m2)
熱容量:170kj/℃m2
集熱面積:南面15m2 東2m2 西2m2 北4m2
その他:内部発熱、ガラスの日射侵入率、外気温京都1月を適宜設定。

上記を固定し、Q値を0.5(赤) 1.0(橙) 1.9(黄緑) 2.7(水色) の4種で自然室温が何度になるかシミュレーションしてみました。
初期室温は、18度に設定しました。
この温度から上がるのか、下がるのかを経過を見れればと思います。
(初期室温は、それぞれ変更できるのですが、あえて全て18度にしています。)

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こちらが冬の結果。
Q値0.5(赤)は、少しオーバーヒート気味です。
Q値1.0(橙)が一番安定しています。
Q値1.9(黄緑)は、12度程度が平均。
Q値2.7(水色)は、9度程度が平均。
結果を見ると、Q1住宅というのは妥当なQ値を設定しているだな。と感じます。
あと、Q値1.9からは温度域の上がり方が急になるので、Q値設定は慎重にならないといけなさそうです。

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こちらが同条件の冬の結果。
日射量だけを平均値の最大に変更してみました。
Q値0.5(赤)にいたっては、30℃以上になるので、オーバーヒートしすぎです。
Q値1.0(橙)では23・24℃になるので少しオーバーヒート気味です。
Q値1.9(黄緑)は、14-5度程度が平均。
Q値2.7(水色)は、12度程度が平均。
日射量が増えてしまうと、京都では、Q値1.0だとオーバーヒート気味です。
寒冷地(気温が京都より低い)だと良いのでしょうけど。
冬の結論としては、Q値目標は1.9(黄緑)とし、気候変動に備え、暖房や着衣等で体感温度を上げるというのがよさそうです。

今回のシミュレーションは、窓の面積を固定にしましたが、これを変更すると、また違った温度変化をするので、その都度、計画案に対しての設計目標をたてる必要がありそうです。

次回は、この設定のまま、夏のシミュレーションをしてみたいと思います。

(2013.10.10 Thursday BLOGより移管)