既存土壁を残したまま室内から断熱改修する場合、内部結露が起こりにくい壁仕様は?
東京入。90分お話してきました。
今回の話は、リフォーム・リノベ時の調査診断治療の見える化についてです。
既存壁を残したまま断熱改修する場合、非定常計算が有効に使えます。壁の中に雨水が侵入した場合のシミュレーションや、通気層がない場合の防湿対策、地域差による防湿層の必要性とリスクなど、リフォーム・リノベ設計には必須です。
既存土壁を残して室内から断熱補強する場合の注意点
仕様は、以下の通り。
吹付、ラスモル、バラ板、空気層(通気していない)、荒壁、中塗
地域は、三田市です。温暖地ですが、少し寒い地域。
この仕様が、下図の一番右です。
この仕様に、繊維系の断熱材を充填し、フィルムを張らず石コウボードを張ったものが下図の中央の図です。
繊維系断熱材の変わりにxps断熱材を張り、フィルムを張らず石コウボードを張ったものが下図の左の図です。
結果は、土壁内断熱をした場合、中央の図がNGとなりました。土壁の内側に繊維系の断熱材を充填する場合は、防湿を注意する必要がありそうです。
実際は、土壁が保水するので、木材が腐るまで到達するかどうかは不明です。土壁にカビが生えるだけですむのかもしれませんが、土壁が黒っぽく変色しそうです。
京町家で、灯油ストーブやガスファンヒーターを使った家は、土壁が変色していることがあったので、同じようなことが起こりそうですね。