木と土壁の家の耐震性を確保するためには

■ピアチェックと構造設計

DSC_0691+私達は、柱や梁などの架構や基礎、耐力壁等の設計を行った上、協力してくれている構造設計事務所にピュアチェックと許容応力度計算を依頼しています。昨今、設計事務所の業務量が増え、意匠に加え、断熱や気密、結露、省エネルギー設計を行う必要がでてきたため、2007年以降は、全棟、構造設計事務所にお願いすることにしました。こうすることで、耐震設計の安全性を高めています。家の骨格である耐震性は、他人の目で時間を掛けてチェックしていただくのがベストだと考えています。

 

 

■目標とする耐震性能について

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新築の場合は、耐震等級2~3を目標に設計を進めています。等級を簡単に説明すると、等級2は基準法の1.25倍、等級3は1.5倍の性能と思っていただければと思います。建築基準法は、最低限の法律ですので、経済設計といわれるギリギリを狙った設計はしないように心がけています。

私達が設計する建物は、全棟、許容応力度計算を行いつつ、施工上のミスも多少考慮して設計しているのが、他の設計事務所と違うところです。構造計算ソフトの数値をクリアするのは簡単なことですが、その計算通り施工ができないことは多々あります。現場での作業を複雑に難解にしないためにも、少し余裕をもって設計をするようにしています。

リフォームの場合は、耐震改修をすることで防災協会の耐震診断評点1.0をクリアできるよう進めていきます。
コストや建物の形状等により、そこまで耐震性を上がられないケースもありますので、このあたりはご相談ということになります。

■工事監理

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建築確認申請の中間検査等で検査を受けた上、さらに私達が念入りに金物や耐力壁の確認をしています。7~10日に1回の頻度で現場を訪問し、2時間ほど滞在して監理を行いますので、他の設計事務所とは訪問頻度が大きく違います。又、行政や確認検査機関の検査は、その家に対して、30分~1時間程度の1~2回の検査ですのでそれほど念入りにチェックをしているわけではありません。

基本は、施工者がきちんと施工を行った上、それを設計者が再度確認するというスタイルがベストだと考え監理を行っています。

■柱や梁のチェック

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木材である柱や梁は、工務店さんで手配していただくこともありますが、私達が住まい手に変わって手配をするケースが最近は多くなっています。こうすることで、品質の高い木材を安価で手に入れることができ、材料のチェックも私達で行うことができます。

木材は、JAS規格材か自然乾燥材のどちらを使用するかも選択することができます。それぞれメリットデメリットはありますが、住まい方や希望にあわせて選択できればと思っています。

写真は、木材検査で含水率を測定しています。自然乾燥材の場合は、含水率が高いこともあるので、できるかぎり含水率が低い材を選ぶようにしています。又、選木という作業を行い、「ここだけは綺麗な柱や梁にしたい」という箇所に、指定の材を持っていけるように作業をしています。

■改修後の耐震性能チェック

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改修後に耐震性能がどのくらい上がったのかを常時微動測定で実測することもあります。比較的新しい建物だと、元々の耐震性が高いので性能はあがりにくいですが、改修前と改修後の性能を動的な評価で判定できる魅力があります。

これらの測定は、岐阜県立森林文化アカデミーの小原先生他、NPOWOODACに協力していただき実測することになります。
(ただし、この測定は、別途費用が必要となります)

■壁、梁の構造実験

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リフォームで新しい補強方法を採用する際、耐震性が確保できるか実験を行うこともあります。住まい手の希望だったり、メーカーさんからの依頼で建材の開発を手伝ったり。こういった実験機関とのつながりを持っている設計事務所は、ごくわずかです。実際の強度はどうなのか、実践して確認する姿勢が大切だと考えています。

(2015-07-29更新)
(2014-03-07更新)