熊本県菊池市住宅調査&益城町の今
7月9日、住宅医スクール熊本の講義をするため熊本入り。
会場には、60名?の受講生でパンパンです。
私の講義のあとは、東京都市大の大橋先生の講義。
今回の地震の被害や要因など、とても重要なお話しをしていただけました。
私が疑問に思っていたこと、
・昭和34年に土壁の倍率が片面0.5倍、両面1.0倍になった理由
・昭和34-56年は、キズリ片面が1.5倍だったけれど、56年に0.5倍になった理由
を先生に聞いてみました。
土壁は、不明だそうです。当時の基準を決めた先生方は亡くなっているため、誰もわからないだろう。とのこと。ただ、論文を追っていけば、もしかしたら何かわかるかもとのことでした。
キズリは、一般的にモルタルが塗られていたので、それで1.5倍あったようです。
今のキズリ0.5倍は、モルタルがないキズリなので、0.5倍なのだそうです。
変遷を知るのはとても重要ですね。
さて、次の日。
住宅医スクール大阪にもいらしていた、ぐるり設計室の横山さんの友人宅を調査するため、熊本県菊池市に行ってきました。
菊池市は、陸軍の飛行場があった土地らしく、戦場であった形跡が残る場所でもあります。
これは、貯水槽です。
水が入っていなかったおかげ??なのか、4月の大地震では倒れなかったようです。
午前、調査するご自宅に到着し、4人で調査です。
私は、小屋裏担当。。
暑い・・・・・。
蒸し風呂です。。
お天気が曇りだったので、まだマシでしたが。。。
夏場の小屋裏は、体力いります。
筋交いみつけました。
筋交いは、図面通り入っていないことがあるのですが、このお宅は、半数目視で確認できましたが、すべて図面通りの位置に入っていました。
調査を終え、空港に向かう途中、益城町に立ち寄りました。
熊本市内は、それほど被害はなかったように見えましたが、この地域はとても被害が激しい。
この形状でなぜ倒壊を免れたのか不思議に思う住宅もありました。
土壁でできた家も倒壊。1階がつぶれ、2階は変形していました。
このお宅も、奥の建物が倒壊。言葉もでません。
一方で、少し変形しただけで、倒壊を免れた門もありました。
状態を見ると、昭和50年前後の家ようです。
1階が押しつぶされて崩れています。2階はかろうじて形を残していますが。。
筋交いが、力に耐えきれず破断している物件もありました。
石積みに大きな亀裂が・・・。
こんなに真横に大きな亀裂が入ってしまうんだ。。
上に建つ住宅は、1階も2階もガケ側に倒れこんでいます。
地震の被害は、耐震性・地盤・周期によって変わるということを改めて痛感しました。
建築準法ギリギリで設計したり、4号ものだからといって、「確認申請で必要な計算だけしていればいい」という解釈は、これら住宅をみれば吹き飛びそうです。
住宅を設計する人は、住宅がどういう風に倒壊するのか、目に焼き付けておいたほうがよいと思います。