家の風通しが悪いような気がしたので、通風シミュレーションをしてみた!

今、設計依頼を受けている住まい手から「どうしても、風通しが良い家にしてほしい」とのご希望があり、プランごとに通風のシミュレーションをいくつか提示しました。自分の家の風の流れを動画で見ることができると、なんだか気持ちがいいですね。シミュレーションをしていると色々と問題点が見えてきます。

  

下図の建物は、中庭があるので、3Dで通風シミュレーションをしてみました。この地域は、北西方面から風が吹いているので、風が通りやすいように窓の位置を配置しています。卓越風を活かさないと風は通り抜けないので注意が必要です。

 

下図の計画案は、方位が45度振っているので、実際は、南西方向から風が吹いています。図面上、リビングの北と南の開け方によっても風の流れが変わります。片引+FIXの木製建具をつくる場合は、要注意です。中庭で卓越風をキャッチできるか確認したのですが、ちょっと難しい感じです。リフォームの場合は、しっかり検討しないといけません。

 

 

下図の建物の卓越風は、南西方向です。卓越風を受ける一番重要な位置が浴室になっており、浴室から風が入ってLDへ流れていきます。浴室から入った風が良いのかどうかは色々意見があると思いますが、結果的に、この案は却下となりました。

 

下図の建物は、新聞チラシに入っていた家のプランをモデルに、通風シミュレーションしたものです。卓越風は、西風です。

隣家があるせいか西面に窓なしという計画案。南と東に窓はあいているのですが、卓越風を読み間違えると、こんな結果に。妻側なので屋根・庇がないということや、西隣家との仲も関係性があるのかもしれません。こういった場合は、和室の南面の窓位置と大きさ、押入れと出入り口の位置を、風が流れやすいように計画してあげれば、廊下や階段方向に風が流れていきます。些細なことですが、設計時点で検討しておきたいところです。

  

風通しのポイントまとめ

1、卓越風をきちんと調べる。

2、窓は、入口と出口を必ず設ける。

3、雨の日や深夜、外出時にも窓が開けておける家をつくる。軒や庇を設ける。

が、風が通る家づくりの基本です。

 

それ以外に、気を付けておかないといけないのは、卓越風をトイレでキャッチし、LDKへ流れていくという風の流れです。
トイレ—>LDK—>居室 は、トイレの臭気が他の部屋へ流れる可能性があるので避けた方が良いです。

 

風が、キッチンを通って、他の居室へ流れていくのも要注意です。
風の流れが、キッチン—>寝室となっている場合、キッチンで調理した臭気が寝室へ流れていくということになり、もし、キッチンでボヤがあった場合、風が流れていると寝室へ行きやすいということに。

 

昔は、意外と守られていたと思うのですが、昨今、機能や効率を優先されて、忘れている家が多々あります!

風通しは、色々な意味で重要ですね。