家の断熱性調査。断熱性診断をするための断熱要素をチェックします!
耐震性の調査に続いて、断熱性の調査です。家の室温を把握するためには、断熱材がどこに入っているのか、また、窓の仕様の把握が重要になります。
まずは、床下の断熱材の有無を確認します。
床下は、点検口から潜って断熱材を調査したところ、断熱材があったりなかったり。奥まで進入しようとしたのですが、床下に敷かれた炭の影響で奥まで進めず。。
進入できなかった範囲は、「不明」と明示します。図面で確認できた箇所と不明点をしっかり明記するのが、当事務所にやり方です。
断熱材があった箇所は、以前のリフォーム時に電気式の床暖房を設置されたようで、その際、断熱材を施工されたようでした。その他は、おそらく断熱材無のようでした。
続いて小屋裏です。小屋裏に入ると、断熱材があるかどうかが一目瞭然です。
赤い破線部分は、グラスウールが敷きこまれていました。黄色い範囲は、進入できた範囲です。こうして図示すると明確にわかるのですが、居室の天井は断熱材があり、廊下や玄関、トイレなどは、断熱材がありませんでした。
天井裏に入ると、炭と断熱材が混在。気密とは縁がない状況でした。
天井裏から、壁の断熱材も確認できます。主に、居室のみ断熱材が充填されているようでした。室内間仕切り壁内にも断熱材が充填されていたので、区画断熱の最先端をいっていたのかもしれません!
続いて、窓の仕様を確認します。昭和に建築されているので、木製、又は、アルミです。窓サイズと床からの高さを測り、外皮と日射取得の計算根拠を拾います。。窓の採寸をしておけば、Q値やUA値も計算することができます。
写真は、サッシの確認。ガラスは、当然ながら、シングルガラスです。建ちが悪いので、気密とは無縁のサッシです。
これで、天井、壁、床、窓の性能が把握できました。
断熱要素がわかれば、自然室温シミュレーションが行えます。
冬期の改修前と改修後(土壁有り無し)の室温を把握したところ、朝方の自然室温で10度ぐらいは差がでそうです。
改修後は、土壁有り無しで確認した所、ご覧のような結果。土壁には熱容量があるので、最高温度が下がり、最低温度があがり温度差が小さくなります。
土壁の蓄熱効果は、夏の方が効果大で、ひんやりします。。
ということで、断熱要素を調査しました。
改修設計に入る際は、各断熱要素は非常に重要なファクターになるので、根拠が把握できるようにしっかり調査をします。
断熱リフォームは、家の室温(冬期)をものすごくあげることができるので、数値をしっかりだして、調査・診断・治療を行うことをオススメします。