住まい手と土壁づくり、住まい手と荒土を塗りました!!高断熱リフォーム版の木小舞土壁です。

ここ数回、シモカワラ町家の詳細調査の事例をblogで紹介しているところでしたが、ちょうど、桜の季節に住まい手と一緒に土壁づくりをしましたので、そちらを先に紹介します!!

 

京都は、桜が満開!お天気もよく素晴らしい土塗り日和です!

 

 

早速ですが、材料屋さんに依頼していた荒土が到着。良質な深草の荒土は取れなくなったそうで、京田辺から土を持ってきてもらいました。ちょっと粘っこい荒土です。

 

 

まずは、荒土をバケツに入れて室内へ運びます。。設計者も見ているだけではなく、土を運ぶお手伝いをします。汚れたら嫌なので、防護服をきております。。

 

 

数往復で、フネに荒土が溜まりました。スサがたくさん入っているように見えますが、バケツの底に荒土がくっつくと取り出しにくいので、ワラスサを刻んでバケツに敷き込んでいます。荒土を運ぶ時のポイントです!!

ちなみに、寝ているのではなく、窓下に養生テープを張っております。。

 

 

この産地の荒土は、粘土質が強いので、10cm程度に切ったワラスサと少量の水を混ぜわせて、塗りやすい荒土に仕上げます。

 

 

混ぜ終わりました。ワラスサは少し多めにしました。

 

 

新築であれば、荒土を塗る際、外部側には何もないのですが、今回はリフォームなので、断熱材や外部の下地材がそのまま残った状態になります。少し乾きにくいで、水は少なめで塗ります。

 

 

住まい手から連絡があり、もうすぐ到着とのこと!

とりあえず、この面のみ塗りあげます。左の職人は、兄上。右は弟です。

 

 

土壁背面の乾燥状況を把握するために、温湿度センサーを仕込みました。土壁は、乾燥まで1年かかるとか、2週間で乾燥するとか、左官屋さんによって色々。何を信じていいのかよくわからないので、どれぐらいの期間で土壁背面が乾燥するのか実測して判断したいと思います!

 

 

お昼頃、住まい手が到着。この土塗りのために関東から日帰りでお越しになりました!!やる気満々です!!

早速、荒土を踏んで柔らかくするところから実体験です。

 

 

スサは、専用の機械でカットし、荒土に投入!!

 

 

番頭さんにチェンジし、荒土を踏み踏み!これぐらいの量だと、混ざりやすい!!

 

 

さて、次は、壁を塗ります!!兄の横でガンガン仕上げていきます!もう職人の腰つきですね!!

  

  

私は、荒土を渡す係です。それなりに体力いります。

 

 

全員で壁塗り。どんどん仕上がっていきます。みんなで楽しみながら塗っております!!住まい手から、「土を塗ると、なんだか空気感違いますね!」とのお言葉。。

 

 

壁全面、完成!

住まい手は、滞在5時間ほどでしたが、大満足だったようです!!「次は、中塗のタイミングでまた来ます!!」と言い残して去っていかれました(笑)

 

 

番頭さんが最後の仕上。割れ止めのため、ワラスサを伏せこんでいます。粘土質が強いので、これで土壁の割れを軽減します。

 

今回は、高断熱リフォーム版の木小舞土壁を実践。既存の土壁は存在せず、又、既存外壁や断熱材が充填された状態で、新しく土壁をつくりました。

高断熱高気密になればなるほど、蓄熱と保湿が重要になってくるので、この土壁で室内環境を安定させ、やんわりとした空気感を作り出します。

土壁は、昔から行われてきた家の重要な要素です。家の空気質を綺麗にし、かつ、左官屋さんの仕事つくることができるので、素晴らしいですね~。