平成11年基準の断熱性のマンションに住んでみた結果、光熱費とエネルギーはどれだけ減ったのか?

2011年10月頃竣工の、「平成11年基準に適合した某マンション」の光熱費のデータをいただきました。

まずは、関電のデータです。

2018年の8月は、17837世帯中、6227位です。光熱費8255円。なかなかツワモノが多いようです。

「はぴeみる電」2018-10-13の記録データより

年間を通してみてみると、冬は高ランキングです。

冬にエアコンを使っていないのですが、それでも17837世帯中2000位ぐらい。上位2000家族は、灯油かガス等を主としているのか・・。猛者ぞろいですね。

「はぴeみる電」2018-10-13の記録データより2

ちなみに、この家族が住むマンションは、窓の性能にカーテンの性能を付加できていた頃の外皮計算なので、窓が、まさかのアルミサッシのシングルガラスです。この部屋は最上階ではなく、上下階に住戸があります。窓は、主に南と西面向きの角部屋です。壁は、ウレタン吹付けで、厚みは不明。たぶん25-35mmぐらい??

実は、この部屋の上階は最上階なのですが、上階は、アルミサッシ+ペアガラスです。天井からの熱損失があるので、ペアにせざるえなかったような気配です。

これで、性能評価をとっており、平成11年基準に適合しているようです。

RC造、かつ、住みだした直後のデータは、数値が安定していないのかと思ったので、2016年9月~2017年10月、2017年9月~2018年10月の2年分のデータをいただきました。

条件等

2017年9月~2018年10月までの住まい方です。
夫婦2人住まい。共働きではない。
冬は、温水床暖房(最弱で3-5時間/日使用?)を使用し、エアコンはほとんど使っていない。暖房便座なし。
夏は、エアコン(28度設定で10-18時間/日)をほぼ毎日1ヶ月ぐらい使用。
洗濯機の乾燥機能使用せず。
カワックはついているが、換気扇しか使っていない。
照明は、蛍光灯とLEDの併用。蛍光灯が切れたらLEDに交換するスタイル。
全ての窓に、シングルタイプの断熱ブラインドがついています。

省エネ基準は、6地域です。

2017年9月~2018年10月までの結果

データ解析は、岐阜県立森林文化アカデミーの辻さんの環境履歴書を使用しました。

総務省の統計データ 56.3GJ
(電気41.2GJ ガス12.2GJ 灯油2.9GJ)

T邸 33.33GJ
(電気19.0GJ ガス14.4GJ 灯油0.0GJ)

結果、40.8%エネルギーが削減できており、とても省エネ一家です。

月別エネルギー使用量比較

月別に見てみると、冬は、温水床暖房なので、ガスの使用量が増えています。
夏は、エアコン使うので、使用量が増えています。

使用している月としていない月がわかりやすいデータです。

総務省の統計データとの光熱費比較

総務省の統計データ 171041円/年
(電気113915円 ガス48957円 灯油8168.4円)

T邸 94652円/年
(電気47079円 ガス47573円 灯油0円)

76389円/年光熱費が削減できています。

12ヶ月で割ると、6365円/月も一般世帯よりも少ないということがわかります。マンションを借りる・買う際の目安にできそうです。

月別の光熱費 冬のガス代=夏の電気代

ほぼ、冬のガス代=夏の電気代という結果です。春秋は、ほぼ、ガス代=電気代となっています。

春秋は、5400円/月(電気2700円、ガス2700円)ぐらい。
夏は、9650円/月(電気7800円、ガス1850円)ぐらい。
冬は、11650円/月(電気4000円、ガス7650円)ぐらい。

2016年9月~2017年10月までの結果

前年度分も比較してみました。

T邸 31.05GJ
(電気18.0GJ ガス13.1GJ 灯油0.0GJ)

44.8%エネルギーが削減できています。

前述した2017年11月以降の冬・夏は、4%もエネルギーを多く使っていたようなので、寒くて暑かったということなのかもしれません。

総務省の統計データ 171041円/年なので、

2017年9月~2018年10月 94652円/年–>76389円/年節約(約6365円/月節約)

2016年9月~2017年10月 86529円/年–>84512円/年節約(約7042円/月節約)

今年度は、電気約4000円、ガス約4000円の計約8000円のアップです。

今、マンションを借りるor買うのであれば!

H11年基準をクリアしたマンションであっても、アルミ+シングルガラスの窓なのであれば、断熱補強必須です。
これさえクリアできれば、まあそこそこ快適に暮らせます。

マンションの断熱性能をざっくり分けるとすると、

1、H25、H28基準をクリアしたマンション(アルミ+ペア、アルミ樹脂+ペア)

2、H11年基準をクリアしたマンション(窓にカーテンが考慮できていた時代)

3、それ以前のマンション(アルミ+シングル)

この3タイプぐらいだと思うので、光熱費と賃料、かつ、断熱性と快適性を比較して決めるのがよさそう。分譲であれば、絶対に、H25、H28基準をクリアしたマンションを購入したほうが得しそうですね。アルミ+シングルだと、リノベで内窓を足して断熱補強はできますが、サッシとガラスは交換できないですし。

平成11年基準に適合した某マンション住んでみた感想

夏)風通しがとても良い。涼しかった年はエアコンを2-5日使った程度。風量がすごいので体感温度が下がり、通風でもなんとかなる。

冬)室温は、床暖房なしで13度~16度ぐらい。暖房なければ少し寒く感じる。

結露)24時間換気をつければ、結露ゼロにはならないが、ほぼ掃除ストレス解消。つけなければ、ガラス表面のうっすら付く程度。量は少ないので、毎日掃除はしていない。

角部屋)明るく風通しが良い。西日は、夏は窓に遮蔽材を取り付けるのでさほど気にならない。冬は少し暖かくなるが夕方以降なので、冷気も侵入する。

換気)レンジフードをつけると、給気口から勢いよく風が入ってくるため寒い。目張りしたら勢いは減ったが微妙に寒い。ただし、24時間換気程度の風量であれば、それほど不快に感じることはない。

窓)アルミ+シングルガラスは、カーテンつけても寒い・・。断熱ブラインドつけたら少しマシになった。

音)隣家からの音はほとんどない。上階もほとんど聞こえない。ただ、下階の人の声が聞こえる。声が大きいだけかも。

換気・通風弊害)バルコニーでタバコを吸う方がいるので、窓あけていたらタバコのニオイが部屋に入ってくる。