住宅医スクールでも講義にあった4号特例の問題。

2018年3月15日に、日本弁護士連合会から国交省へ意見書が提出されています。詳細はこちら

この「4号建築物に対する法規制の是正を求める意見書」PDF(意見書全文)は、必ず読んでおいたほうが良いと思います。一般の方も少し難しい内容ですがぜひご覧ください。お知り合いの建築士に意味を聞くのも良いでしょう。

日弁連の意見書趣旨は?

意見書の趣旨を簡単にまとめるとこんな感じです。

1、4号建築物も構造計算を行うように義務付け
2、 ・壁量計算の見直し
  ・水平構面床倍率の導入
  ・壁直下率、柱直下率、梁断面規定の新設
3、構造関係図書の添付と審査検査の義務付け

4号特例とは?構造の審査と検査がない。

一般の方は、知らない方が多いですが、4号特例という制度を使えば、構造の検討をしていなくても建築確認申請は通ります。さらには、建方後の中間検査は、検査員が来ても特例で申請しているので構造検査は実施されません。竣工時は、中間検査同様、特例ですので検査は実施されません。家を建てる地域にもよりますが、条例化されていないと法律上は申請や検査をしなくてもいいことになります。(注意:全ての地域ではありません。また、審査機関にもよります。)

設計図書の責任は建築士が担う。

これは、チェックする側に問題があるのではなく、4号特例と言われる制度によるもののためです。建築確認申請では、建築士が建築確認申請書を作成するなかで、4号特例の欄にチェックを入れれば、特例に該当する項目は、審査機関は審査も検査もしなくてもよくなります。

木造の住宅は、ほとんどが4号特例

木造の住宅だと、ほぼ、4号特例に該当させることができるため、ほとんどの建築士がこの制度をつかっています。こうなると、建築確認申請で構造図面や計算書が必要とならないので構造の検討をしない人がでてきています。この結果、耐震不足の建物がでてきたりするわけです。

詳細は、日弁連の報告書を見てください。

設計監理料を払っているか?

なので、基本は、建築士が責任を持って、構造設計をし、構造計算もし、現場の検査もすることが大切なわけです。その対価が設計監理料です。

例えば、設計監理料が1軒で300万円の場合、構造設計を依頼すると30万程度支払うことになります。ただ、設計監理料が60万程度の場合、構造設計へ30万払ってしまえば、残り30万でその他の設計や監理、建築確認申請をしないといけないことになるので、収支が成立しません。設計監理料を定額支払っていただけないような環境だと、こういった耐震不足が発生してしまう可能性が高まります。

家を安価に売ることで、こういったデメリットもでてくるため、家造りは色々と難しいのも実情です。

4号特例を住まい手に意識してもらうためには

この4号特例問題は、「林先生が驚く 初耳学」というTVでぜひ取り上げてほしいですね。
「林先生、知ってましたか?家をつくる際に建築確認申請を提出しますが、実は耐震の審査も検査もしてないんです!!!」というタイトルにすると、住まい手にもしっかり伝わりそうです。。

こういったことを防ぐためには、まずは住まい手がしっかり勉強することが一番です。構造計算を実施していないところには家づくりを頼まないという方法もあるかもしれません。

全棟、許容応力度計算へ

ちなみに、私が設計する住宅は、一棟一棟プランや仕様が異なるため、許容応力度計算をし、等級2または3を確保できるようにしています。

現場へは、1週間から10日に一度訪問し、チェックしているので、施工間違いも起こりにくいです。設計監理料をいただいていますので、費用に対してのお仕事をすることになります。こういったこともあり、設計と監理に意識がある方は、設計事務所に頼まれる傾向にあるようです。

4号特例がなくなることのデメリット

この4号特例の問題に義務化などの規制がかかると、審査費用や申請図書作成の費用、その他手間がかかり申請期間が伸びます。もし、4号特例を撤廃してしまうと、私に依頼している住まい手にとっては申請費用負担が増え、工期も遅れるのでデメリットのほうが大きいです。メリットは、審査機関がピュアチェックをしてくれるというところぐらいかと思います。

今は、レオパレスの問題もあるので、不安を煽るのはよくないですが、困っている方もいるので、良い方向に変わってくれるとうれしいですね。