戸建住宅のZEH定義が少し変わります。2019-2月(改定版)パブコメの結果
2019年2月14日に、戸建て住宅のZEHの定義に関して、パブコメの結果がでています。
ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>に対する意見募集の結果について
ZEHがらみで学会誌の原稿を書くことになっているので、ちょうどよいタイミングでした。以下、ほぼ引用していますが、整理しておきたいと思います。
ZEHとは(定性的な定義)
ZEHとは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設 備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー を実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一 次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」とする
ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>平成31年2月 版より
ZEHの種類と定量的要件は?
以下を満たす住宅となります。
『ZEH』(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅です。
以下の1~4のすべてに適合した住宅
1,ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成 28 年省エネルギー 基準(ηAC 値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上 で、
UA 値[W/m2 K] 1・2地域:0.40
相当以下、3地域:0.50相当以下、4~7地域:0.60相当以下)2,再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
3,再生可能エネルギーを導入(容量不問)
4,再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減
ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>平成31年2月 版より
関西中心部は、5、6地域ですので、UAは0.60W/m2K以下のままです。あと、相当が、全て、相当 とされ、消されています。数値以下と決めているのに、相当とつけると、少しぼんやりしていましたが、それがなくなります。
ちなみに、3の再生エネルギーには、等がついていません。
Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
『ZEH』を見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅です。
以下の1~4のすべてに適合した住宅
1, ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成 28 年省エネルギー 基準(ηAC 値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、
UA 値[W/m2 K] 1・2地域:0.40
相当以下、3地域:0.50相当以下、4~7地域:0.60相当以下)2,再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
3,再生可能エネルギーを導入(容量不問)
4,再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上 100%未満の一次エネルギー消費量削減
ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>平成31年2月 版より
ZEHとNearly ZEHの相違点は、4の一次エネ消費量削減の%の違いです。ZEHは、100%ですが、Nearly ZEHは、75%以上100%未満です。
ZEH Oriented (ゼロ・エネルギー・ハウス指向型住宅)
『ZEH』を指向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅です。(都市部狭小地※に建築された住宅に限る)
以下の1及び2のいずれにも適合した住宅
1,ZEH強化外皮基準(地域区分1~8地域の平成 28 年省エネルギー基準(ηAC 値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、
UA 値[W/m2 K] 1・2地域:0.40
相当以下、3地域:0.50相当以下、4~7地域:0.60相当以下)2,再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>平成31年2月 版より
再生エネルギー(太陽光発電やコジェネ)を導入しなくてもよいZEHが、指向型住宅のようです。用途地域制限かつ敷地面積85m2未満の場合にしか使えません。逆に言うと、建売などはZEHとうたいやすくなるのかも??それはそれでどうなんだろう・・・。
※ 都市部狭小地とは、北側斜線制限の対象となる用途地域(第一種及び第 二種低層住居専用地域並びに第一種及び第二種中高層住居専用地域)等であって、敷地面積が 85 ㎡未満である土地。ただし、住宅が平屋建ての場合は除く。
ZEHの定義(改定版) <戸建住宅>平成31年2月 版より
ダブル発電のイメージ
ダブル発電というのは、太陽光発電とコジェネで発電させる方法。エネマネでも全学校トライしていたあれです。
エネマネ展示期間中にそれぞれの発電モニターを見ていましたが、太陽光は朝から夕方まで発電し、コジェネは終日発電するようなイメージで捉えています。
京大チームは、パナさんの太陽光発電1.26kWに加え、ガラス瓦ソーラー0.845kWで発電させ、エネファーム最大出力700W(実際は、200-400Whぐらいが多かった印象)でした。
結果(12月7日のデータ)、太陽光発電で5.0kW/日、エネファーム7.3kw/日程度発電していました。
太陽光発電量は、屋根面積に依存されるので、都市部では不利です。それをおぎなうためコジェネをいれるという選択はあるのかもしれませんが、コジェネも機器がそこそこ大きいので、敷地内に設置しつつ通路を確保できるかというと、なかなか難しいところです。
Nearly ZEHは、そういった不利な都市部でもZEHとうたえるようにつくられたと聞きました。
ケーススタディでは、コジェネ1:太陽光3ぐらい割合で発電量を算定されています。コジェネと太陽光の発電量の目安になりそうです。エネマネまちや+こあは、太陽光が少なめでしたので、1:3ぐらいは妥当なところだといえそうです。