木摺にモルタル?砂漆喰?を塗った壁を発見!剥がれ落ちている原因は何か?@御影
現場へ向かう途中、木摺モルタルの塀を発見。家は、空き家のようで、塀が崩れ落ちかけていました。
断面を見ると、モルタルのように見えますが、色目が微妙に薄い黄色なのでもしかしたらモルタルではなく、石灰に土や砂を混ぜて塗っていそうです。
木摺は、厚さ8mm程度、幅は15~40mm程度。24mm程度の下地に両面から木摺が張られていました。
塗厚は、総厚で5mm程度です。
貫は、入っていないようです。
木摺は、比較的健全。でも、その下地が腐っています。
壁自体が崩落しかけているので、両袖の柱への固定方法があまかったような感じです。
塗材を見ると、モルタルにしては少し色が白っぽいですし、石灰が主材料のように思えます。
木摺に塗った材は、厚みも薄いので、やはり砂漆喰が有力そうです。
上塗りは、少しベージュがかっているので、土に石灰、砂を混ぜているようです。
隣の壁を見ると、剥がれた部分から貫らしき材が見えます。
その貫らしき材の真上に、木摺っぽい材が入っています。
貫の表面には、黄色い土が塗られているので、この壁は、あきらかに荒土か中塗土を塗っています。
その上から、漆喰です。
ただ一部は、壁が剥がれたせいか、モルタルで補修されています。
手間と費用を考えると、土壁や漆喰がはがれた時は、モルタルで補修されてしまうのが現実的のようです。
「地震で土壁が壊れたら塗り直せば良い」という考え方の方もいらっしゃいますが、やはり、できるだけ割れない壊れないように造ってあげるほうが、住まい手や土壁にとって良いように思います。