窓枠を考慮した日射熱取得率の評価が変わる-平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能に関する技術情報
4月1日になり、平成28年省エネルギー基準がスタートしたようです。
エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) Ver 2.0のレイアウトが一新され、タブレットやスマホなどのモバイル端末でも更新がしやすくなっています。
デザインは賛否両論があるようですが、私は、わかりやすのでよいと思っています。
エネルギー消費性能計算プログラムの主な変更点
建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報
Ver.1.15.3からVer.2.0への修正点
平成28年省エネルギー基準になり、変更点が多いので、以下、キャプチャしたものをアップいたします。
プログラムの入力変更で気になった点
・mh、mcとか外皮熱損失量(q値)の入力が、外皮面積の合計、外皮平均熱貫流率(UA)、暖房期平均日射熱取得率(ηAH)、冷房期平均日射熱取得率(ηAC)の入力に変更になった。
・太陽熱のタブに、集熱器総面積を入力する、有効集熱面積を入力するが追加された。
・LED照明が評価できるようになった。
・温水床暖房で、ガス潜熱回収型給湯温水暖房機を選んだ場合、効率の入力方法が
1,入力しない。
2,効率(暖房部:熱効率 給湯部:エネルギー消費効率)を入力することにより省エネルギー効果を評価する
3,効率(暖房部:熱効率 給湯部:モード熱効率)を入力することにより省エネルギー効果を評価する
といったところです。
旧平成25年基準プログラムのデータを読み込んだ場合、外皮面積の合計、外皮平均熱貫流率(UA)、暖房期平均日射熱取得率(ηAH)、冷房期平均日射熱取得率(ηAC)は、再入力が必要なので要注意です。
窓枠を考慮した日射熱取得率の評価が変わる
以上がプログラムの変更でしたが、「窓枠を考慮した日射熱取得率」だけは、計算の根拠となる評価方法そのものが変更となっています。
窓枠を考慮した日射熱取得率の評価 (PDF 約361KB) H28.04.01公開
以下、PDF抜粋です。
平成28年省エネルギー基準になり、窓枠の日射熱取得率を考慮することになるようです。
JIS番号だけではわからないので、それぞれのタイトルを記載しました。
JIS R3106 板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法
JIS A2103 窓及びドアの熱性能−日射熱取得率の計算
JIS A1493 窓及びドアの熱性能−日射熱取得率の測定
木製建具の場合の変更点は、
LOWE複層ガラス 日射取得型 ガラスのみ 0.64—>0.46
LOWE複層ガラス 日射遮蔽型 ガラスのみ 0.40—>0.29
となっています。
アルミ樹脂複合サッシの場合の変更点は、
LOWE複層ガラス 日射取得型 ガラスのみ 0.64—>0.51
LOWE複層ガラス 日射遮蔽型 ガラスのみ 0.40—>0.32
となり、
木製建具もアルミ樹脂複合サッシも、それぞれ数値が小さくなっています。
これが、何を意味するかというと、夏の夏期日射遮蔽性能が向上し、冬の日射取得が減少するということ。
日射取得の計算をする際、計算東西北は、日射遮蔽ガラスを使い、南は日射取得ガラスを使うのが一番設計がしやすく多くの方が採用していましたが、この数値改定により、設計のルールを変更することになりそうです。
今、色々な解説本がでていますが、どんどん情報が新しくなるので、本ではもう追いつけないですね。
省エネルギー基準は、WEBで確かめるのか一番のようです。