断熱性能が高い土壁の家は、カビが生えにくいのか、生えやすいのか実測して調べてみた。

 

昨日の分析の続きです。土壁がある部屋と、土壁がない部屋を実測比較しました。

実測した2日間(8/16-17)の温湿度を元に、カビが生えやすいのかどうか、グラフを描いてチェックしてみました。カビは、梅雨や夏というイメージがあるのですが、カビ指数グラフを見てみると、冬でも湿度が高いとカビが発生することを示しています。70%超えたら生える!80%超えたらあぶない!とかなんだかわかりにくかったのですが、グラフにしてみるとものすごく明快になりました。

1/21 カビ指数の数値を描きました

さて、グラフですが、黄色が土壁ありの部屋、青色が土壁なしの部屋です。濃い青は、外気です。

土壁ありの部屋は、土壁が水蒸気を吸湿してくれているおかげなのか、相対湿度が下がっています。土壁がない部屋は、若干、相対湿度が高めにでており、カビ指数ラインにかぶってしまいました。おしい!

昔ながらの土壁の家で、湿度が高い環境にあると、なんだか部屋が臭い時があります。おそらく、カビが原因なのかと思っているのですが、こういうグラフをつくると分析がしやすいですね。昔の土壁の家は、外気と順応するので、外気に近い「濃い青」のグラフに近づくのかなと思っています。

 

まとめ

8/16-8/17の実測データを分析した結果、

・土壁がある部屋の方が、土壁の吸湿効果で相対湿度が低くなり、結果、カビが若干生えにくくなる。

・家の中が外気と同じような温湿度の場合は、湿度も高くなり、カビが生えやすくなる。

 

家の断熱性能があがるとアレルギー症状が改善したという統計データは、もしかたらカビも一つの要因なのかと思いました。

 

以下は、この分析の元になった分析です。詳細を知りたい方は、以下をご覧ください。

土壁がある部屋と、土壁がない部屋の温湿度を実測してみた!温湿度、不快指数、絶対湿度、カビ指数の比較。

住まい手にご無理をいい、土壁の家を1年間ほど実測をさせていただきました。 土壁がある部屋と、土壁がない部屋の比較です。部屋は、2階にあり、大きさはほぼ同じ。窓も同…

<更新情報>

220121 外気のグラフを修正