小屋裏の調査へ。体力と柔軟性がいりますが、色々なものを発見できました!

屋内と屋外の劣化調査が終わったので、次は、小屋裏の調査です。天井点検口から小屋裏へ進入することになるので、まずは点検口がどこにあるのか探します。

各部屋の押入れや収納内を探していた所、中廊下に面する押入れの中に点検口がありました!建物によっては点検口がないこともあり、初回訪問時に点検口の確認が必須。点検口の有無がわかっていれば段取りよく調査ができます。

 

 

なんとか進入できました。これだけの大きさがあれば、多少太っていても入ることができます。ただ、自分の力で体を持ち上げないといけないので、腕力が必要です。あと、点検口周囲は、簡素な下地でつくられているので、材に力をかけすぎないことも大切。

  

  

上るとこんな感じの景色が広がります。思ったより、丸太梁が多いです。束にカスガイ金物が取りついているのを確認できました。

 

 

丸太は、縦引きのボルトで固定されています。とりあえず、梁がはずれて落ちるということはなさそうです。

 

 

腰掛鎌継手です。継手に金物はついていません。束と梁とは、カスガイ金物で固定されています。

小屋裏に入るとよく見かけるのが、継手の浮き。地震で縦揺れが起こると、若干浮いてしまうようです。

 

 

野地板と垂木です。合板は使っておらず、昔ながらの屋根下地です。見た感じ綺麗です。

 

 

野地板の含水率を測ります。数値は10.5%。まあこんなもんです。

 

  

天井下地面が、妙に黒いと思ったら、全体的に炭が敷きこまれていました。湿気対策なんでしょうね。。古民家の天井裏に潜ると、たまに天井裏全面に土が敷きこまれていることがあるのですが、それと同じような状態でした。室内に何か黒い染みがでていたのは、これが原因のようです。

 

  

棟札を発見しました。これで築年数がわかるのですが、のしがかかっているので、何がかかれているのか見えない・・。

  

   

小屋裏換気口がありました。細工が凝っています。

外壁は、バラ板にアスファルトフェルトを張りモルタルを塗っていることがわかります。土壁ではありませんでした。。残念。

 

  

壁に断熱材が入っています。ただ、その上には・・・・。

ハチの巣があることを知らず、小屋裏をひたすら調査していたので、びっくり。。若干大き目。ハチはいなさそうです。よかった。。

  

  

 天井裏に新聞が敷いてありました。昭和53年6月20日京都新聞。新築当時の新聞のようです。新聞があると当時どんなことが起こっていたのか読みたくなってきます。。

 

 

ということで、小屋裏調査は完了です。

小屋裏の構造体は、まあ一般的なものでした。屋根からの雨漏りもありません。

ただ、天井に炭が敷かれているので、これをどうするか。

天井を剥がすと、炭が一斉に天井から降ってきます。掃除機で吸い取るのも限度があります。。廃棄も炭なので処分場が引き取ってくれず。。なかなか厄介なしろものでした。