屋内の劣化状況は、建物全体を通して把握することが重要。こんな調査を行っています!

前回のつづきです。

屋外の調査を終え、屋内の調査へ。主に目視で、雨染み、ひび割れ、サッシ戸締り具合の調査をします。

室内はこんな感じ。昭和の建物らしい雰囲気。照明がかわいい。全面的にやり替えるので室内の見た目はガラッと変わります。。

 

  

さて、まずはキッチン付近。吊戸棚の扉がうまく締まりません。どこかに傾きがありそうです。

 

 

壁にクラック発見。ダイニングキッチン周辺は、傾きが多くクラックもあるので建物が若干傾いているのかもと想定できます。

 

 

廊下の柱と壁の間になんだか黒い染みが・・・。実は、この染みは、天井裏に敷きこんだ炭が影響していることがわかりました。

 

 

壁の角が割れています。かつ、幅木と枠材に隙間が。。。隙間巾3mm程度あります。これぐらいの隙間があいていた場合、構造体に何か原因があると思ってよいです。

 

 

和室の鴨居に隙間あり。2mmほど。こういった現象がどのあたりに起こっているのか、建物全体で把握することが大切です。家の傾向がなんだかつかめてきました。。

 

 

鴨居の角からクラックが入っています。よく見かけるクラックですが、少し大きめ。

 

 

和室の入隅の柱部分に黒い染みが。。これも天井に敷いた炭の可能性が大。壁と柱の間に、少し隙間があいてるのも要因のようです。

 

 

床の間のチリ切れです。ボードの上に左官だと、床の間廻りの仕事は難しいので家ができた時からの隙間かもしれません。

 

 

押入れの天井に染みがありました。範囲が狭いので、雨染みというより、小動物のオシッコの可能性が高いです。

 

 

最後にサッシです。

サッシは、建付けによってどの程度の傾きがあるのか把握します。サッシの下部をぴったりひっつけて、上部にどの程度隙間があいているか確認します。

 

 

あらら。。思った以上に開いています。。この柱は、広縁の角にあり、下部は基礎もなく玉石でした。

 

ということで、屋内調査は終了。

他の場所にも同様の劣化事象があったので記録として残します。。そして、どこに傾きや隙間が多かったのか、建物全体を通して把握します。

これがものすごく重要です。

特定の場所に、劣化事象があるのは住まい手でもわかるので、全体を通しての傾向を把握し伝えることが大切です。