両面真壁の土塗り壁-伝統的木造住宅の議論がどうなっているのか?配布資料や議事録を「伝統」「土壁」「真壁」でソートし抜粋して整理してみました。2016年1月21日現在
建築環境部会
第14回(2015年12月18日)配布資料
第14回(2015年12月18日)議事録
&
省エネルギー判断基準等小委員会
第10回(2015年8月20日)議事録
第11回(2015年9月11日)議事録
第12回(2015年11月16日)議事録
に記載のあった伝統的木造住宅の議論と今後の制度について整理してみました。
(省エネルギー判断基準等小委員会 第12回(2015年11月16日)議事録は、2015-12-25追加)
(建築環境部会 第14回(2015年12月18日)配布資料は、2015-12-25追加)
(建築環境部会 第14回(2015年12月18日)議事録は、2016-01-21追加)
「伝統」「土壁」というキーワードで検索し、わかりやすいように色付をしています。
両面真壁の土塗り壁に関わる伝統的木造住宅と外皮、一次エネの制度が、どういう流れで決まっていくのか記録を残しておければと思います。
建築環境部会 第14回(2015年12月18日)議事録 より
(2016-01-21追加)
********P8抜粋**********
所管行政庁が気候・風土に応じた住まいということ、適切と認めた場合に外皮基準の適用を除外できるとされております。例えば、右側の真ん中に書いて
ございますような、両側真壁の土塗壁住宅、こうしたものはなかなか断熱材入れるのが困難なわけでございますけども、こういうふうに実際に困難な場合において今言ったような外皮基準を適用除外とするとともに、また、一次エネルギー消費量基準につきましてもその住宅なりの、土塗壁なりの外皮性能でもって基準を定めるという形で数値の緩和ということを考えているところでございます。
7ページでございますけども、こうしたような仕組みが各所管行政庁で適切に実際にやっていただくということを念頭に国交省でガイドラインを整備する予定でございます。こちら現在作業中でございますけれども、こうしたことを示して適切に運用していただくようなことを考えているところでございます。
********抜粋終わり**********
********P13-14抜粋**********
伝統木造住宅の話です。これはこれまでずっと課題だったと思いますが、ここで認定ガイドラインという言葉が出てきました。まずは国全体のガイドラインを国交省さんでまとめられる。それを基にして各行政庁がその地域性に合わせたものにカスタマイズするというシナリオですね。これは言うはやすしで、実施にあたっては大変難しい問題をはらんでいると思います。特に国交省がおまとめになるのはすぐにでもできるでしょう。
しかし、それを地域にカスタマイズしようとするときにそのプロセスや他との公平性を担保することがなかなか難しいなと思われます。さきほどお隣の○○委員ともこの件に関してお話をしていましたが、伝木の担い手として零細な工務店さんがいっぱいいらっしゃる中で、地域の認定ガイドラインがそういう方々が実際に使えるものにならないと実効性がない、そんな印象を持ちます。これについて具体的なロードマップを策定されるご予定はあるのでしょうか。
********抜粋終わり**********
********P14抜粋**********
(事務局) 伝統木造住宅につきましてはパブリックコメントの中でも多数のご意見をいただいたところでございます。その中で実務者の方々の意見ですとか、地方公共団体の意見を聞いてほしいというご要望があったことも踏まえまして、年明けの1月、2月にですけれども、実務者の方々や地方公共団体の意見を聞いて、ディスカッションもして、それを踏まえてガイドラインが適切なものになるようにつくり込んでいきたいというふうに考えてございます。
********抜粋終わり**********
建築環境部会 配布資料 第14回(2015年12月18日)建築物エネルギー消費性能基準等の整備の方向性(案)2 より
(2015-12-25追加)
********P2抜粋**********
土塗壁等を用いた伝統的木造住宅について、所管行政庁が認めた場合には、一次エネルギー消費量基準の基準値について、個別住宅毎に当該外皮性能に応じた暖冷房一次エネルギー消費量をもとに設定できることとする。
********抜粋終わり**********
以下、建築環境部会 第14回(2015年12月18日)配布資料 より
以上、建築環境部会 第14回(2015年12月18日)配布資料 より
省エネルギー判断基準等小委員会 第12回(2015年11月16日) 議事録(PDF形式:308KB)より
(2015-12-25追加)
********P10抜粋**********
その次が、伝統的木造住宅の中で外皮基準の適用除外規定がございますけれども、これを都市建築デザインの観点から集合住宅においても検討すべきじゃないかというご意見をいただいているところでございますけれども、伝統木造だけではなく、これは断熱構造化が難しい伝統構法等の住宅と認めた場合に適用除外とするガイドラインになってございますので、これ以外の住宅で断熱構造化が困難な住宅というのが現在のところ想定されないところから、基本的には原案のとおりとさせていただきたいと考えてございます。
********抜粋終わり**********
********P12抜粋**********
それから、14ページ目をご覧いただければと思います。このページが伝統的木造住宅関係のご意見になってございます。まず、上から行きますと、1つ目は賛成のご意見としまして、このガイドラインにつきまして、真の省エネを目的にしているようで大変よいという賛成のご意見をいただいてございます。ただ一方で、ガイドラインの整備を進めるに当たっては、建築実務者ですとか、温暖地の専門家、こういった方々を交えながら検討すべきだという意見ですとか、所管行政庁が扱いやすいようにすべきだというようなご意見もいただいてございますし、また両面真壁のみでなく、片側真壁ですとか、大壁を含めて幅広く対象にしたらどうかという意見もいただいているところでございます。また真壁、丸太組構法にも適用が可能となるようにしてほしいという意見もいただいているところでございまして、こちらにつきましては、今後ガイドラインの整備に当たっては地方公共団体さんですとか、建築実務者の方々の意見も伺いながら検討を進めていきたいと考えているところでございます。
********抜粋終わり**********
********P13抜粋**********
ページをめくっていただきまして、15ページ目ですけれども、土壁、それから板壁などの自然素材が持つ蓄熱性・吸湿性などについても配慮してほしいという意見をいただいていますけれども、現行一定の蓄熱や通風の効果は認めているところでございますけれども、ご指摘も踏まえて今後もこういった性能をきちんと評価できるように検討を進めてまいりたいと考えてございます。
********抜粋終わり**********
********P26抜粋**********
(○○委員) 1つは質問で、1つは今後の課題についての要望ということで、地域の気候及び風土に応じた住まいづくりの観点から適切と認めるための判断に関するガイドラインを整備して策定するというお話ですが、このガイドラインの整備の目途といいますか、時期はいつぐらいを予定しているのかというのをご質問したいと思います。国交省で新年度の概算要求をされている地域型住宅グリーン化事業の中にも、地域の気候風土に配慮し、それを認定された住宅というようなメニューもたしか盛られているかと思いますので、それとの整合とかもありますので、策定の時期を教えていただければと思います。
********抜粋終わり**********
********P27抜粋**********
それから、○○委員からご質問とご意見をいただいた部分ですけれども、まず、気候風土の外皮基準適用除外のガイドラインになりますけれども、こちらにつきましては、今後いろんな建築事務実務者の方ですとか、それから所管行政庁の方と意見交換しなきゃいけないかなということも考えておりますけれども、できるだけ年度内に調整して出していければということを考えているところでございます。
********抜粋終わり**********
(以上、第12回、2015-12-25追加終わり)
省エネルギー判断基準等小委員会 第11回(2015年9月11日) 議事録(PDF形式:313KB)より
********P12抜粋**********
伝統的木造住宅といったものについて所管行政庁が地域の気候及び風土に応じた住まいづくりの観点から認定した場合といったような取り扱いを書いてございます。認定した場合にどうなるかと申し上げますと、先日ご説明したように外皮基準が適用除外。この第1条第2項イというのが外皮基準を指してございます。それから次の行に第2条第2号(1)イ「(ホ)及び」というところがありますけれども、これが暖房と冷房の一次エネルギー消費量の基準になってございまして、こちらについては当該住宅の外皮平均熱貫流率、それから平均日射熱取得率、こういったものを使って計算していいですよと。当該住宅の外皮に合わせた一次エネルギー消費量を基準値とするという基準の合理化を図った部分になってございます。
********抜粋終わり**********
********抜粋P14**********
伝統的木造住宅と地域の気候風土に応じた住まいづくりの観点から認定された場合の取り扱いですが、「この告示の3イの規定は適用除外とする」と。3イの規定というのが実は外皮に関する基準になっていまして、もともと本則のほうでも外皮基準は適用除外としますとしておったところですので、この仕様基準の中でも外皮基準は適用除外とすると。そうするとどういうことかと申し上げますと、外皮基準はかかりませんので、この前のページ、8ページ以降にありますところですけれども、要は標準的な設備として位置づけられているこういった設備を使うことで、伝統的木造であっても基準に適合しているといった取り扱いが可能になるというものでございます。
********抜粋終わり**********
省エネルギー判断基準等小委員会 第10回(2015年8月20日) 議事録(PDF形式:350KB)より
********抜粋P27-28**********
こちらは主に伝統的木造住宅等の地域の気候や風土に応じた住宅についての基準をどうするのかといったようなことで、この建築物省エネ法が国会で審議される中でも、結構、こういった伝木等の住宅についてきちんと検証できるように、そういった措置を講じるべきだということは附帯決議等で位置づけられたところですけれども、現行、どうなっているのかと申し上げますと、現行の省エネ基準においては、所管行政庁がまず認定してください、地域の気候及び風土に応じた住まいづくりの観点から適切と認めた場合に限って、一定の適用除外ができることとなってございまして、要は所管行政庁が認定した場合には、その外皮基準の適用を除外できるといったような制度は措置されてございます。ただ、この制度が実は使われた事例は今のところないというふうな状況でして、実際にこの下に絵が描いてありますけど、伝統的木造住宅等で両面真壁の土塗り壁のように断熱材を入れるスペースがないといったようなものについては、こういった認定が使われるケースがあるのかなと思っておりましたけれども、実際には今のところ使われているケースがないという状況でございます。
これをもう少し掘り下げて見ていきますと、確かに外皮基準については適用除外になっているのですけれども、設計一次エネルギー消費量の基準については特に措置されていないというふうな状況でして、要は結構、断熱材の入っていないスカスカの外皮の中で、一次エネルギー消費量はちゃんと断熱された住宅と同じぐらいしか暖房で使っちゃいけませんよというふうな形の基準値になってございますので、かなり高効率設備を導入しても、一次エネルギー消費量基準を満たすことが難しいといった状況があるというふうに聞いてございます。
それを踏まえまして、これは既に外皮基準を適用除外するという緩和措置が講じられているところですので、それを踏まえて基準の合理化を図っていこうということで、3番目の丸のところでご提案させていただいていますのが、基準一次エネルギー消費量を設計一次エネルギー消費量が下回ってくださいといったときの基準一次エネルギー消費量というのは、通常の住宅であれば告示等で定められている標準の外皮性能で標準設備を使用した場合の数値を、当該住宅の外皮性能で当該住宅の設計設備仕様を使った場合の設計一次エネルギー消費量が下回ってくださいという基準になっておるのですけれども、この気候・風土に応じた住まいということで行政庁が認定した住宅については、この標準の外皮のかわりに当該住宅の外皮を使えることとしてはどうか。要は外皮基準については適用除外されているわけですので、それに応じた実態の住宅にあった外皮の性能で、一次エネルギー消費量を設定してはどうかということでご提案させていただいたものでございます。
********抜粋終わり**********
********抜粋P39**********
(○○委員) 簡単に。伝統木造住宅のところなのですけれども、伝統木造住宅をつくりながら、省エネルギー性能とか環境性能も高い住宅を頑張って建てようとしている人もいると思うので、この伝統的な住宅と認められちゃうと、こういう、一番下にあるような評価しかできないというのは、逆のインセンティブが働いてしまうかなというのは、ちょっと危惧になります。
********抜粋終わり**********